「CROSS†CHANNEL」~「最果てのイマ」に連なる、久しぶりの正統派ロミオ。しかもKeyがバックアップなので、システム・サウンド・グラフィック(?)それぞれの面で怖れるものはなにもない、って感じ。ただし本番となるのはオーラスルートであり、立ちふさがるのは複数ライター問題・・・。諦めずに2ndOPを目指してほしい。
長文感想っていうか、単に殴り書きだけど・・・。
※以下の文章には
「CROSS†CHANNEL(以下CC)」
「最果てのイマ(以下イマ)」
「リトルバスターズ(以下リトバス)」のネタバレが含まれます。
いやまさか、天下のKeyでここまでロミオロミオしてくれるとは!うれしい誤算。
CCやイマの流れを汲む作品として十分味わうことが出来ました。
というのも思い返すと、ロミオ3大作品の主人公構造に4つの共通点が浮かんできました。
異常/超越性・人への憧れ・超常存在・最終的な孤独です。
・CC
異常:幼少期のトラウマ・変性意識を持つ主人公が、
憧れ:普通の人間へ憧れていて、
超常:七香を見出し、
孤独:独りで生きていく決心をする。
・イマ
異常:USERであり、「王」ユニットでもある主人公が、
憧れ:友人を作り、聖域を守ることを求め、
超常:脳腫瘍イマを知覚し、
孤独:王として他者性を失い孤独となる。
・Rewrite
異常:超人でありアウロラを内包する主人公が、
憧れ:青春や友人関係に憧れていて、
超常:星の化身である篝と出会い、
孤独:命のフロンティアとして必然的な孤独を受け入れる。
重要な部分すっ飛ばしたり、前後したりもしてるけど、どれも概ね同様の形態をとっています。
こうしてみると、やっぱりRewriteもかなりロミオしてるなーって思うわけです。
またRewriteの場合、100人を超える友人関係を見ることが出来るFriendやQuestなど
後に孤独となる主人公でも、それに至る中で安寧が用意されてる部分にちょっとした救いを感じました。
瑚太郎の他人への感情が読みとれる良システムだと思います。
あとは他にもラストに(ちょっと不自然ながら)ちゃんとオカ研集合で〆ていたり
他主人公より明の部分が目立つのは、やっぱりKeyで一般作だからなのかな。
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で、問題はこのロミオは主にオーラスのMoon・Terraで発揮されていて
それ以前のルートはお膳立てに過ぎず、サブライターはまさに「サブ」ヒロインでしかない点。
これはリトバスの感想と同じになります。
メインライター(だーまえ)のRefrainルートへの流れはよくできていても、
それに至るまでにサブライターのルートも全部通らなくてはならない。
そして逆にメインが一本どっしり決まってしまっているせいで、
他のヒロインが総じてサブに徹す必要があり、ライターもそれに順ずる必要があること。
Rewriteも同様で、しかもメインが癖のあるロミオだからさあ大変。
殿と竜騎士から浮くこと浮くこと。
竜騎士はどうしても竜騎士の主人公にしかならないから、瑚太郎が別人にしか見えないし
殿は戦闘シーン多目なのに慣れてないせいでボロボロだし、設定にも齟齬があったり
(個人的に小鳥→ちはやとやったので、武器としてのオーロラについて
小鳥ルートでは右手しか出ない~とか鞭のようにするのは非常に困難~とかあったのに
ちはやルートで両手爪!とか両手剣!とかこんな風にもつかえるんだぜ!とかやったりしてて
なんだこれ・・・と思ってしまった。)
Rewriteじゃなければどうとでもなりそうだけど、今回はちょっと致命的・・・。
しかもなぜかルートロックの構造上、小鳥→静流・ちはや→朱音のように
ロミオと殿を交互にやる人が多そうなんで心配です。
ロミオ信者から見れば、わざわざ浮いてるサブライター全部やらないと真ルートいけないのはだるいし
ロミオアンチから見れば、他ライターのヒロインがサブすぎてメインにほとんど絡んでこないから微妙だし
それ以外の大多数には問題ないとしても、声の大きい前二者の評価が悪くなる以上
なかなか難しいんじゃないかなーと思ってしまったり。
・・・個人的に今回一番ツボだったのはMoonで、親和数のラブレターシーンとか最高!だったんだけど
いくらなんでもそんなのが主流ってことはないよな・・・。
基本ロミオは萌えはあってもいちゃラブ皆無だし、その辺Keyとしてはどうなんだろうか。
自分はあまりヒロインを重視しないので、オーラスで誰ともくっつかなくても一向に構わないんだけども、
キャラ面ではあまりKeyっぽくないというか、今後展開させにくそうな。
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あと気になったのは、今回全体的に伏線が分かりにくかった。
瑚太郎の2大伏線として「脳の異常による記憶障害」「空白の期間と成長停止による実年齢の違い」がある訳だけど
なるほど!って思えるほど伏線を拾えていませんでした。
西九条・今宮と同年代だった記憶があるのはなぜ?とか
小鳥・朱音が子供なのに自分が違うのは?とか
言われてからえーそんな描写あったっけー?と思ってしまった。
覚えてたのは、好きな流行歌の年代が西九条と合ったのはそういうことなのかってくらい。
同世代の筈の高校生と趣味試行がズレてたのは、そういうことだったのかと。
記憶障害も・・・吉野のキレ方からなにかあるんだろうなーくらいな。
記憶障害バラす小鳥ルートを、ロックの関係で前半にしちゃったのはちょっともったいなかったかな。
中盤くらいまで引っ張りたかったかも。
うーん全体的に、自分の読み込みが浅かったんだろうか。
まあ、二週目の楽しみってことにもなるかな。
まだFriendが埋まりきってないので、色々試しつつ再プレイしてみよう
→ Friend埋まりました。多少それっぽく伏線みたいな部分もありましたが
やっぱり複数ライターだと上手く構成を作りにくかったのかな?
竜騎士とか発売1-2年前にシナリオ上げてた気がするし・・・。
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最後にひとつ、現在世界(本編前半)は地球なのか月なのか。
月世界の瑚太郎に様々な記憶があったっていうことは、並列世界が許容されてるってことなので
パラレルワールドでないなら恐らく本編中に説明のある多元振動による影響なんだろうけど、
それが本編中には二パターン説明されてる。
一方が表面積の少ない庭の文明での再進化の際に起こる多元振動
もう一方が短時間の資源浪費により起こる可能性の系統樹による未来方向への多元振動
もし前者なら、一度地球文明が滅びたあとに庭文明として月世界で多重化した世界が本編で、Terra編で地球へ。
後者なら、資源浪費により多重化した地球世界が本編で、その後月で多重シミュレーション、Terra編で地球へ
うーん、どちらもパッとした説明が出来ない・・・。
全部が全部、シミュレートだとさすがに味気ないからどっちかだと思いたいんだけどなー。