先が読める展開に終始してしまって消化不良。ロープラに期待しすぎたか。
なにやらシナリオが良さそうだと思ってプレイしてみたが、ありきたりな展開に終わってしまってガッカリ。
ロープラ作品に見合った内容ということだろうか。
「想いが魔法を凌駕して二人が再び結ばれる」という説明のつかないファンタジーによって解決されるだけで、カタルシスが全く得られなかった。
優希が秋人を突き放す理由として、「もう傷つけたくないから」ことと「魔法使いとして知られてしまったから」という二つの理由が存在していた。
この二つは作中ではこの二つがごっちゃにして扱われている気がした。
つまり、優希の中では「魔法使いとして知られる=傷つけることになる」という判断がなされているように思うが、これはよくわからない。
幼少期に魔法が暴走して傷つけることになったのは秋人が突然現れて気が動転してしまったからであって、魔法使いとして知られてしまった今後傷つけることになるわけではないと思うが。
また、作中においては何故魔法使いとして知られてはいけないのかに関して納得のいく説明はされていない。
同じく魔法使いであろうトゥーラとルラールも、最後には二人を祝福しただけで終わったので特にペナルティというのはなさそうだと判断できる。
そういうわけで、この問題に関しては投げっぱなしで終わる。
こちらとしては、この問題がどう困難となってそれをどう解決するかを見れるかと思っていたので、肩透かしを食らったという印象だ。
ファンタジーによって解決することそのものを否定するわけではないが、それまでの困難を提示してこそ光るものではないのか。
この世界の魔法がどういうもので、魔法使いがなんのために魔法を使うのかもちゃんとした記述がないんですよね。
しかもヒロインの行動に共感できない分、あまり感動もなく。
以上、ストーリーに関しては消化不良に終わるが、グラフィックが美しい点は評価できる。
背景の噴水が動くのにはびっくりした。
ラストシーンでの蕾の花が一斉に花開いた(ように見える)演出は、分かっていても鳥肌が立った。OPが流れるとやはり高揚する。
登場人物には悪人はおらず、イライラするということもなかった。
優等生なヒロインとの甘い学園生活を楽しむという目的ならば悪くないかもしれない。