ErogameScape -エロゲー批評空間-

kyouraishiさんの迷える2人とセカイのすべての長文感想

ユーザー
kyouraishi
ゲーム
迷える2人とセカイのすべて
ブランド
Lass
得点
68
参照数
1312

一言コメント

一昔前のRPG的なお話。壊滅的につまらなくもないが決しておもしろくもないです。

長文感想

バトル要素はそこまで濃くありません。どのルートも展開こそ違えど基本構造は同じ。話の広げ方そのものは悪くないものの、
細部が詰め切れておらず強引に持っていこうとするため、現実味が薄く、ご都合主義的に感じられてしまう。

その1シーンのみを取り上げれば十分に感動できる箇所がいくつかあるが、そこへ繋げるための過程がおざなりに過ぎるせいで、何の感慨も得られない。
感動できるはずのシーンでは基本的に「そもそもあんな阿呆なことやらなければこんなことにはならないで済んだじゃん」というような思いが浮かぶので、もう少しまともな理由付けをして話を運んで欲しかった。
また、阿呆なことの引き金となるのが、キャラの中で最も無垢かつ幼いフィアであるケースが多いので、特定のキャラに損な役回りを押しつけ過ぎな気もする。

ひとことで書いた通り、少し前のRPGのようなストーリー。オリジナリティが薄く、やっつけ感が漂う箇所も多く、シーンがぶつ切りで違和感を覚えることもままあります。
どこが特別おかしいということもないですが、いたって平凡な作品です。


エロは普通。ヒロインが6人おり、抜き要素を重視しているわけでもないので、一人あたりのシーンとCG数は少なめ。
それに近いものはあるが、陵辱はなし。主人公以外の棒は登場しません。フィアにおしっこが一回。それ以外は普通のプレイです。
幼女フィアとのHはないので、それ目当てでの購入には注意が必要です。


全体的に、前作の失敗を繰り返さないようにした結果、守りに入ってしまった感があります。「ここにだって、奇跡はある」のテーマの通り、最後にはご都合主義満載のハッピーエンドが訪れます。
個人的には、こんな話ならまだ前作のような尖った話がよかったと思います。総合力では前作は今作に水をあけられていますが、雰囲気や細部の作りこみ(どうでもいい作りこみが多かったですが)、尖り方は前作の少女神域の方が大きく上回っていると思います。とはいえ決して前作から悪化しているわけではないので、次回作に期待です。