春、夏、秋、冬のイメージに合った、卓越した現実感覚の下で展開される「人と人のプラトニックラブ」が絶品であると同時に、この季節をめぐるミステリー要素が絶妙に結合した作品。
一種の装置と思われていた物語の微視的装置──一連の事件──が、実は巨大な歯車装置になって物語の核心に位置付けられていることをプレーヤーに自覚させるその過程は驚くべきことだった。 女性主人公を前面に押し出した繊細な描写と表現、文章力、そして春、夏、秋、冬によって変わる主人公の個性が強調された文章と共に話を進行する秀麗な作画と音楽に加え、キャラクターの繊細でリアルなヤリトリーとの交流、緻密に造形された絵画及びイベント場面を叙述時点を変えながら眺めるのはとても新鮮だった。