幽霊ゲーを斬新なまとめ方でせめてきた作品
幽霊さんは気持ち良いことに積極的で、それが物語の進行にも役立っている。
個人的には衣装の2パターンとも好みだが、とくにノースリーブ着物は反則。
唇カットインもえろく、普段は可愛い系なのに誘うときは蠱惑してくるのは幽霊さんという普段のギャップと相まってえろい。
そしてドヤ顔もかわいい。
いつもフヨフヨしているのもそうだが、独自の幽霊観を持っている幽霊さんと、あえて名付けないことで幽霊というジャンルを代弁する制作陣。
そして細かいところは説明せずに、こういうものだと納得させる手腕はさすがとしか。
もちろん定番の幽霊ジョークもあり、チラっと見える足の存在しない幽体が幽霊ヒロインというものをよくわかっていると納得できる。
ハイライトの消えた目もそうだが、このヒロインは幽霊だと思い出させる展開も、共感されやすい社畜というテーマもいい具合にマッチしていた。
欲をいえば、漫画の「愛しのかな」みたいな空中浮遊セッ○○がなかったのが残念だが、幽霊さんの身体から想像できるシチュは網羅されていたので満足できた。
幽霊さんは主人公を立てるだけかと思いきやそうでもなく、きちんと幽霊さんの気持ちを伝えることでお互い通じ合い、選択肢によって派生するENDではまさに幸せな2人。
サンプルCGにあるような3人エッチも良かったが、性格がほぼ一緒なのと天冠の切れ目の違いでなにかあるのかなと思ったら肩透かしだったのは残念。
しかしそのまま溺れる終わりや見納めエッチはえっちでした。
まとめ:
やはり表情変化とボイス変化が楽しめたのが大きい。
単独ヒロインの利点というべきか、幽霊さんの魅力が集中して魅力的に表現されていたのはまさに求めていた作品だった。
あとは社畜を肯定するのではなく「休んでください」と、遠回しに長生きしてくれという願い。
終わりでそんな離別ENDを持ってくるのかと思えば、使い古された終わりではなく今までありそうでなかったENDを用意してくる幽霊愛。
これは幽霊作品を研究しただけではでてこない発想だと思っているので、ライターが独自の幽霊観を持っていないと難しいかと。
生き返りや転生などがあふれる今、ENDを3つに派生させてなおかつ斬新な切り口でまとめてきた当作は幽霊作品の時代を切り開いたと言っても良いかと。
献身的に尽くして受け身でいるだけでなく、主人公からどうにしかして精をいただこうとする幽霊さん。
お互いに譲れない目的があるからこそ成立する相互関係もとい相棒関係のようなもので、どちらかが一方的に利用するだけになっていなかった展開がニーズにあっていたかと。
これには私も「おそらく超える幽霊ゲーはでてこないな」と思うほど脱帽でした。
やはり表情変化とボイスの抑揚で幽霊さんの可愛さが際立ち、単独ヒロインで差分多め、しかもENDやシーンのバリエーションも多くお疲れな現代人にも優しいボリューム。
かといって少なすぎるわけでもなく、良い作品だからこそもう少し味わっていたいという余韻を引く作品。
私からすると、十数年に一度の名作に出会えたことに感謝しかない。