全く期待していなかったのに、予想以上の良作です。
丁寧に、丁寧に魔法少女物を作りました、という雰囲気が伝わってくる良作です。初め全く期待せずに購入しただけに、うれしい喜びでした。
いわゆる魔法少女モノ、としてありがちな、ツンデレ少女とぬいぐるみに姿を変えられた主人公の交流がメインですが、ライバルあり、主人公に近しい少女の姿あり、色っぽい女性幹部あり、ラスボスありと実にテンプレ。
にもかかわらず、終わったあとおもしろかった、といえるのはすべてにおいて手抜きがないからだと思います。
日常の会話はじつにきっちりとツボを付いたものばかりで、声優さんも普段は情けない主人公を初めそれぞれのキャラにあったいい演技をしています。
シナリオは、まさに此方の痒いところに手が届く、ユーザーが魔法少女モノというジャンルに求めるものを徹底的に満たしてくれるものでした。
ゲーム部分にしても、結構考えられています。
流石にグラフィックはしょぼいですけど、もともとパズルゲーなのでそれほど気になりません。むしろ、多種多様な仕掛けが凝らされているので最後まで頭をひねります。
しかし、丁寧なヒントを見れるように用意したり、簡単なルートと難しいルートを用意したり、とあまりアクションが得意でない人も何とか最後までいけます。
その一方で、タイムアタックや激ムズの謎解きが入っていたりと、楽しめます。
ただ、ちょっと言いたいことが。
まず、エロが薄いです。基本的に主人公がエロゲー主人公にしては珍しいほどに真っ当な倫理観の持ち主なので、魔法少女なら触手、とか悪の女性幹部を懲らしめる、とかそういった面での期待は出来ません。ほぼ純愛。主人公以外ほぼ全員女性なのに、えろシーンがあるのが三人というのは、純愛シナリオ的には正しいのですがエロゲとしては何か間違っている気がしてなりません。
ただ、こういう主人公だから好感が持てるのも事実なので、難しいところですね。
そして……パッドがないと指が死にます。キーボードでは特に後半の面ではつるほどきついです。もう一度言います、パッド必須。
以上の二点を全くもって文句のない完璧な作品でした。
いやあ、面白かった。