愛しのエロゲへ、明けない性夜の祝福を――
ループ物の傑作として、これをリアルタイムで購入できた奇跡に感謝を。
・最高の世界観と圧巻の伏線回収
テキスト然り、グラフィック然り。徹底した環境造りによって完成したあめぐれの世界観は、陳腐な言葉ながら最高でした。オーロラ、芸術、社会、文化、その舞台裏の歴史など、どれをとっても最高で、その作り込み具合には感動しました。そんな濃密な舞台設定の中でも、キャラをしっかりと立たせているところも凄かったです。
そして、何といっても本作最大の魅力は伏線回収にこそあると思います。最序盤から散りばめられた膨大な数の伏線を終盤で一気に、しかも全て回収する様は圧巻という他ありません。あまりにも見事過ぎてクリックする手が止まりませんでした。できることならもう一度、記憶を消してからプレイしたいです。
・素晴らしきキャラクターたち
まるでその世界観の中を本当に生きているかのように動き回るキャラ達にはすっかりと愛着がわきました。中でもサクヤ、とってもすけべでたわわな後輩にはもうすっかりとメロメロに。サクヤに「すけべな先輩」と言われたい人生でした……。
彼女だけでなく、それ以外のどのキャラも魅力的で、嫌いになったキャラが一人も居ないという点でも素晴らしい作品でした。
・ちょっと惜しい点
個人的な趣味でもありますが、もうちょいダークな世界観を期待していただけに、一つの世界が終末を迎える割には終始ライトフルな雰囲気なのがちょっと。
明確な悪役がいないというのもイマイチでした。ラスボスでさえ悪役ではなくあくまでも芸術家であるのが少し魅力が足りないかなと。やっぱり世界を滅ぼすぐらいの悪役にはそれ相応のキャラが要ると思うので。
あと、何といってもエロが本当におまけ程度でしかないのも……手抜きとは言いませんが、明らかにエロの時だけグラのレベルが落ちているような気がしました。エロゲなのに。
各√の総評。
キリエ√→キリエの意外な一面にドキッとしっぱなしでした。「大脱出だ。駆け落ちすんぞ、シュウ」のセリフが強烈で、とても記憶に残りました。下水道を発見した時が一番面白かったです。
コトハ√→ある意味一番のどすけべ先輩。リンカ関連の情報が明らかになったことより、ヌードモデルで陰部しか描かなかったことが判明した時の衝撃がヤバかったです。やっぱり一年年上のことだけはあります。
ユネ√&サクヤ√→ぶっちゃけ共有√? みたいなもので、過程に違いはありません。ただ、ユネには申し訳ないのですが、やっぱり「大胆な告白は女の子の特権」をアメグレの曲と一緒にやったサクヤが強すぎました。あの全てを曝け出すシーンはもう涙無しでは読めませんでした。何度も「キスする」を選んでごめん……。最後のデウスエクスマキナ的展開にはちょっとうーんと唸ってしまいましたが、作中で散々それっぽいことが示されていたので拒否感までは感じませんでした。とにかく全員がハッピーエンドになって良かったです(小並感)。
本当にクリスマスに相応しい奇跡みたいな作品でした。このような作品をプレイできたことに感謝を。
最後に。
リリィ先生のエロシーンが追加されるのをいつまでも待っています。