ちぐはぐした作品というのが1番の感想だった。イチャラブゲーに終わらないという意思は感じられた。でも、システムが楽しいかというとだるいところも多々ある。やり込めるのは間違いなんだけど、そこに楽しさがないと苦痛になってしまう。そして、個人的に1番の不満が、これ魔法少女の意味あった?
魔法少女。
美少女アダルトゲームで、魔法少女とくれば、期待をせずにいられない。
果たして、どんな魔法少女の物語を見せてくれるのだろうか。
そんな自分の1番の期待は、おもいっきりスルーされた。そんな作品でした。
ただシナリオに力が入っていなかったかというと、そうでもない。
主にシステム的な新しいところを生かそうと、がんばっていた。
選択肢が新たに出てきて、新しい展開が見られるのは楽しい。
でも、そんなやり込めるシステムそのものが楽しかったかというと、それは違った。
やり込めるけど、楽しさは微妙。
その原因はやはり、魔法少女というフォーマットに対してあまりにも薄っぺらいアプローチが原因だと思う。
イチャラブゲーに終始しない意思は感じられたけど、結局終わってみるとイチャラブ―だったなって感じ。
なぜなら、魔法少女という物語がペラペラだったから。
だって共通のクライマックスが告白。その後に恋人(ステディ)モード。個別は終始イチャイチャ。
トゥルーでのみ伏線を回収したりしていますが、最後にどどどっとご都合という感じ。
これじゃ日常学園モノの方が楽しかったんじゃないかなと、一人目を攻略した直後に思った。
システム的な試みも、そういう現代日常の方が生きたと思う。
最近はフタを開けてみると、中身はただのイチャラブゲーだったということが多い。
それだけイチャラブが求められているんだと思うけど、そこで差を付けるのはやはりシナリオ的な骨太さだと思う。
何も鬱シナリオをやれとか、生と死を扱えとか、そういう重いテーマをやって欲しいわけじゃない。
ただし、一本筋の通った骨太さは欲しかった。エッチに特化したコメディならば、それでいい。
そういう方向で、ちゃんと魔法少女の物語をやって欲しかった。
演出だって、魔法エフェクトとか期待しているわけで、そこらへんがあまりにも弱い。
魔法少女ものならば、ちゃんと魔法少女という設定や世界観、展開に力を入れて欲しい。
そういう基本的なところに不満を覚えた作品でした。
だから、魔法少女モノを求める人にはおすすめできない。
でも、イチャラブーを楽しみたいという方にはすすめられると思います。
システム的に面白い試みのあるイチャラブゲー。それが今作でしょう。