ラブコメディを貫き通した良作
そうだよ、こういうのを待ってたんだよ!というポイントにはまったゲームだった
名作系のシナリオじゃないんだけど、中途半端に名作入りを狙ったシリアス系より断然面白い!
微妙なところもちょこちょこあるけど、ここまでラブコメディを貫く作品は少ないので90点以上をつけたい
以下は細かいレビューです
・ヒロイン
素晴らしい。みんな可愛い。
ギャグゲーというのはエロいけど、ヒロイン萌えは弱いものが多かったりする。
それなのに笑えて、なおかつ女の子もすごく可愛いところが自分的に高ポイントだった。
とくに良かったのは、いわゆる男の娘ジャンルと呼ばれる杏里くん。
これは歴代の【男の娘】で最高峰と位置づけて良いくらいの萌えシナリオ。
男同士のエロシーンがあるということで、購入前は個別をためらっていたのに見事覆してくれた萌えッ子に乾杯
可愛すぎるぞ、杏里くん!
杏里くんは、男の娘と言えばで語られる傑出ヒロインになるポテンシャルを秘めていると思う。
次点で良かったのは、あや乃と乙女あたりかな。
どちらのシナリオも疲労感を覚えることなく楽しめました!
でも、百ちゃんと女将さんが可愛くなかったというわけではないので安心して欲しいところ
・主人公
そして何気に他の作品に差をつけたポイントが、この主人公だった。
常識人だけど適応力が高くて、能動的で行動派。
ヒロインとの会話もノリよく、完全無欠というタイプじゃないけど安心感のある男の子。
何より鈍感ではなく、普通の男であれば察しがつくところをしっかり気づくところが良かった。
ヒロインがごにょごにょ主人公へデレたら、しっかりそれを察してフォローしてあげる主人公ってそうそう見かけられるもんじゃないです。
脇役に頼りになる男性キャラはいないので、最後まで本当に頼りになる良主人公だった。
最初は抵抗があっても、モンスターを愛して、男を抱き、さらにはツンデレ系ヒロインさえ包み込む感じ。
モンスターや男を最初は抱けないという葛藤や常識的な感覚があるから共感できるし、それをちゃんと乗り越えてくれるところが好感度・大でした。
主人公の方から勇気を出してヒロインを呼び出し、しっかり告白してくれるあたりもグッド。
常に受け身でやることと言えばツッコミだけ、やれやれというスタンスに甘んじて流される昨今のラノベ系主人公にはない男らしさがある。
状況を静観するだけの空気な主人公たちにはちょっと見習って欲しいくらい気持ちのいい奴でしたよ、はい。
・絵
イベントCGは良かったです。
とくにエロシーンはなかなか気合いの入った絵だったと思う。
それに塗りが作風に合っていて、ラブコメ度を増していました。
ただひとつ気になったのは立ち絵です。
腰のあたりなんかは、もうちょっと骨が見える絵にして欲しかった。
マイナスポイントとしては、この立ち絵でした。
・演出
良かったです。このメーカーは動作が重くて安定しないというイメージがありましたが、今回は問題なし。
さらに背景の扉が開いたり、キャラクターからハートマークがラブコメ風に出たりと、こだわりを感じました。
この作品は徹頭徹尾ラブコメなんだという意図が伝わってきて、それがプレイの安心感に繋がった。
・シナリオ
上記で良かった点は書いたので、逆に気になった点をここで。
ライタークレジットが3人である弊害か、ところどころ統一感が感じられない部分がありました。
こういうギャグ系のシナリオというのは癖がでる部分もあると思うので気をつけて欲しいところ。
ただしヒロインは可愛かったし、主人公もいいやつで最後までダレることなく楽しめた。
読むのが苦痛という感じではなく、むしろ巷に溢れる受動的主人公が織りなすシリアス奇跡系の作品よりずっと読み進めやすいですから。
・音楽
もうひとつマイナスポイントになったのが、ここの音楽要素。とくにBGM。
過去作品のBGMが使われているのが、どうしても過去作のイメージが甦ってきて気になってしまった。
これは音楽だけに限ったことではないのですが、そこかしこから感じる低予算な雰囲気に没入感が阻害される。
同メーカーの前作である「神咒神威神楽」「Vermilion -Bind of Blood-」と比べると寂しい感じが。
厨二バトルメーカーならではの判断かもしれませんが、もうちょっと何とかして欲しかった。
・総評
色々と細かいところまで語ってしまいましたが、最後にまとめるのならこんな感じ。
ラブコメディを貫き通せる作品は少ない。ラブコメディ作品としては、本当に良かったです。
笑えて萌える(たとえばラブひなのような)作品をお求めの方には、安心して推奨できる良作です。