連続ドラマのような不幸の重なり合い それを白々しくし感じなければ楽しめるそんな作品
プレイし始めのころは沙耶の声があまり好きになれなくてこのゲームを楽しめるのかすごく不安だったけれど沙耶の告白シーンで心をつかまれました
沙耶がヒロに気持ちを伝えて不安そうにそっぽ向いたりこっちを向いたりする演出が凄まじくかわいくて本当に自分に向けて告白されてるのではないかと錯覚をおこしそうでした
沙耶との初エッチも告白後すぐにエッチをするのではなく徐々に恋人としての距離をつめていく過程がすごくよかったです すべてのルートで作品内での時間経過が早いので知り合って一月もたたずにHをするという状況にならなくてよかったと思います
購入前から何か悲劇的なことが起こると聞いていたのですが話の流れからして沙耶が病気でなくなるor沙希の目が見えなくなるのどっちかだと思っていたので交通事故で沙耶がなくなった時には頭が真っ白くなりました
読者を絶望に突き落とすのがうまいなと思いました
各ルートにそれぞれのafterストーリーが付いているけど本編と合体していたほうがいいと思います
美幸ルートでは見たとき償いをしてないことや美幸が雛を見たときどういう態度とるのか
雛ルートでは目が見えなくなった生活をどのように歩んでいくのかが描写されてないからこの作品はあんまり出来がよくないとプレイ中に感じてしまいました
これらの不満はafterストーリーですべて解決したけれどわざわざ分けずにいっぺんに見せてくれたほうがよかったかなと思います
はるなルートの笹岡はすごく不快でした この作品に出てくるキャラは魅力的な人ばかりなので笹岡のひどさが目立ちました不快すぎて笹岡が出てくるところはすべてスキップしようかと思ったほどでした全体的に見てはるなルートはほかのルートより質が落ちるかなと思いましたafterストーリーでも事故いついての言及はなかったですし(逆に言うとシリアスばかりになるのを嫌ったのかもしれませんが)
沙希ルートは沙希がものすごく健気で沙耶亡くなったというのにヒロのことを気遣いみんなに心配をかけないように常に笑顔を振りまく姿 こんな姿を見て惚れない訳がないだろと思いましただだからこそ主人公(ヒロ)にはもう少しがんばってほしかったです
僕はこの作品をプレイし終えるまで伴侶をなくした人が新たに家庭を築くのはちょっと薄情なんじゃないかと考えていましたしかし沙希のafterストーリーを終えてこのような考えはただ過去にすがる行為であり故人も本人も不幸な考え方にもなるのだと始めて理解しました
そして最後にキャッチコピーなどで否定され続けていたささやかな奇跡が起こりそこからのedへの演出に全身に鳥肌が立ちました 後遺症が治ったり故人が蘇ったりはしないけれどささやかな沙耶の起こした奇跡 このシーンを見てこのゲームをプレイしてよかったと思います
ほかにちょっと気になったことはHシーンでの主人公が笑えるほど情けないこと誤字と音声のミスが結構あったことあとbgmのループが下手なことです
最後にこの作品の作者は今いわゆるテンプレラノベを書いてるらしいけどせっかくこんないい作品を作れるならまたエロゲで書いてほしいと思う