前作同様、練り込まれた世界観に雰囲気作りも上手く、加え今作になり広範に散りばめられていた謎が収束していくさまが心地よさを与え、読後、一昔前のできのよいライトノベルのような印象を残したファンタジー系の良作。
昨今のエロゲ界にあふれる、テンプレートな世界観や展開の作品とは全く異なり、きちんと物語している点にとにかく好印象。
惜しむらくは、続き物のため、次作、下手すれば次々作もあるんじゃないかと危惧してしまう点か。
とはいえ、今作については漫画の連載の単行本化のようなものと割り切りさえできれば、辛うじてフルプライスでもないしこのような売り方もありかもしれないとまで初めて思えた。
Flyable Heartの作品群との比較では、好き好きもあるのはみとめつつ、カチッとした物語という点で個人的にはこちらの方に軍配はあがりそうな気がしている。