日常と非日常の境界線を越える、ねこねこハードボイルド作品
※素人が歴史や言葉について意見を勝手に述べています。
ねこねこソフトさんの力作。最終作品と名を打っただけあって、面白かったです。他のゲームにはあまりない諜報員の世界観が、ー日常と非日常の境界線を越えてというフレーズに見合っていて良かったです。諜報員という職について私自信が知識不足で、話の脚色された部分について真偽が分からなかった点はあったのですが、単純に世界観に飲み込まれ楽しめたので評価高くなっています。
以下ネタバレあり
1章の極秘の暗号保持や、2章の大統領暗殺など、私の知らない諜報員の仕事というのには驚かされたし楽しめました。この作品に関していえばフィクションなんですが、現実でも諜報員が暗躍しているようですね。作品内では、歴史を動かすのは首相や大統領ではなく諜報員だ、と述べられていましたが、どこまで本当なのでしょうか。
諜報員というワードを少し調べてみると、スパイを同義語だということが分かりました。スパイは、主に情報や暗号解読などに務める者を指すようで、それを含め暗殺や施設破壊などを行う者が諜報員だと区分されるようですね。国と国の均衡を保つためにはなんでもする、例え良くしてもらった大統領を暗殺することになっても…っていう話は演出って分かってても燃えました。世に出回る陰謀論について、このストーリーは裏側で語っていたように思います。私のような知識がない人にとってはとても楽しめた話だったんですが、その手に詳しい方がどう思うのかが気になりました。簡単に理解するだけなら、私は多少なり知識がついたと思うので、おすすめだと思います。
(諜報やスパイといった活動には、世界的に一流の知能を持つ人々が召集されるようで、第二次世界大戦時のマンハッタンでの原爆作りもそれに分類されるようですね。ここで、別ゲーですが、紫影のソナーニルのマンハッタン起点の爆発が結びつくんですね…。知識不足が露呈して恥ずかしいですが、なるほどな~と思ったので書いてみます。もっと世界史とか日本史を勉強するべきだったと最近常々思います…。)
次に3章と4章について。
3章は、諜報員の闇の部分がもろに出ていましたね…クローン技術で静香が生まれたっていう話はなかなかやっていて辛かったような覚えがあります。ただ、ねこねこのともさん特有のシナリオが良かったです。病気系の話は本当弱い。事前に知っていた3章は泣けるという情報は本当でした。
次に4章。無人島脱出は結構燃えました。ただ、ラストで二人が簡単に日常に帰れたのが納得いきませんでした。境界線を越えたら戻ってこれない、とかが序盤のネックだったのに、結局戻れるのかーって。でも、最後のケーキ渡すシーンが良すぎたので流しちゃったというのも事実です。終わりよければ全てよしって感想を抱きがちなので、すいません。このゲームの評価が高いのも読了感が強かったから、という理由が強いです。ここで他の人が述べている、映画のような~っていう感想が本当にぴったり。
最後に。私が特に印象に残っているシーンは、序盤で静香が明人をヘリコプターで家まで送るシーンです。
日本の米軍が管理する領空を、楽しそうに、自由に飛ぶ静香の姿がかっこいいと同時に羨ましく映りました。