狂気や推理物としての面白さは前作に劣るなぁという感想です。ですが、ENDINGはなかなか良かった。
まず、狂気についての感想。
今回は迷信や祟りといった背景から殺人が起こるのですが、どうも人為的なものだと分かってしまって狂気を感じられず楽しめませんでした。僕自身、狂気とかは苦手だけど怖いものみたさで楽しんでしまうタイプで、前回の殻は超びびりながらも次の展開がどうなるか気になって割とはまっていました。でも、前述したように今回はそんなに怖くありませんでした。僕的には、もっと和ホラーを全面に押してくると思っていたので、ちょっと期待外れだったかも。(巫女の変態の人と倉庫の隠し扉が少し怖かったことは内緒です。)
次に、今回のヒンナサマの祟りを背景にした事件について。
辛口になりますが、このゲームは、1作目からも思っていましたが推理物としてはあまり良くないという感想です。
気になった点
・今回の連続殺人は、真崎の婚約候補が殺されているということでしたが、真崎自身結婚する気はないという態度をとっていたのになぜ殺したのか?という疑問が.。動機が不純すぎるかなぁと。まぁ狂気がテーマだしだし、いいのかな(よくない)。あと、なぜ嫁候補じゃないメイド殺したし。
・なぜわざわざヒンナサマの祟りを村の外に持ち出したのか?死体に土人形をいれて吊るす行為をやる意味ってなかったですよね。知名度が低い祟りといえど、事件として人形村で起こっている以上、容疑者が絞られてしまうので、加害者側のメリットってないですよね。強いて言うなら、ライターさんが個々の事件の関連性を作るためかな?そうしないと、今回は誰だよって人の死体がとても多かったので、強引に関連性を持たせる必要があったと取れてしまいそうです。あと、グリ子殺害の所ら辺で、少なくともナースとあの妹のどちらかが犯人だろうって分かってしまう。読者視点で二人に容疑者が絞られてしまうわけですから、見せ方が弱かったかなぁと思いました。
・体験版で、”ヒンナサマ”が殺すのを目撃して、その証拠を消した人。あれは妹だったのかな?本編で記述がなかったのは不満でした。
あと、このシリーズって誰にでも”とんでも狂気”を混ぜ込むことが可能なので、犯人が誰だとかどうでもいいって思っちゃうんですよね…。まぁパラノイアがキーだから仕方ないのかもしれませんが、犯人の立ち振る舞いの人格の現れが、犯人確定前と後でもう別人なんですよね、もう壊れちゃう感じで。だから前後の人格は自由=誰でも犯人可能って感じになっちゃってつまらないかな。そもそも捕まったらそれから出てきませんしね、前作の先生しかり、今作の妹しかり(六識先生は除く)。次は最後までクールな知能犯とかきてほしいです。
最後に。
虚ノ少女をやって感じたのは、このシリーズは一貫して冬子がメインヒロインなんだなぁということ。これを見せるために、長い雛神の事件を追っていたと考えると、なかなか報われる(報われないけど)ものがあったかな。ただ、結構まとまりあるエンディングで冬子も見つかったわけだし、僕自身は今作の内容は納得しています。TRUE END?の前にあった冬子と夢の中で結婚式をあげるエンディング、あれとても良かったです。あの後にプレイする冬子の真実を知るエンディングとの対比がうまいなぁと思いました。あんな幸せな未来もあったかもしれない、というのは一種の残酷さだと思いました。だけど、その中に何か儚さを感じる、僕は二つで一つのエンディングだと捉えました。前作もそうですが、この作品は綺麗なBAD ENDを書くのがとてもうまい。良い欝ゲーっていう点が一番評価されている所ではないかなぁと思います。
読み返してみたら、すごく推理物に対して愚痴愚痴いってしまった。僕はそこまで本格ミステリとかに詳しくないので、個人的な意見として受け取ってくれれば幸いです。
次作はやはり”空”なんですかね、情報が出るのは楽しみですが、やるかどうかは未定です。