ErogameScape -エロゲー批評空間-

konohasakuyaさんのはつゆきさくらの長文感想

ユーザー
konohasakuya
ゲーム
はつゆきさくら
ブランド
SAGA PLANETS
得点
98
参照数
268

一言コメント

復讐要素、?

長文感想

この話は最初のキャッチコピーなどから、復讐の物語であったが、要はストーリーは大野敦の復讐劇だったのではないのか?というのは多少あり復讐という要素からは少し外れているような気がする、

全体的に復讐というよりは主人公の成長というものに重点が置かれていると思う。
過去にとらわれていた主人公が、様々な出会いを通じて、復讐では何も変わらない。だから前を向かなければならないのだという考えの変化をよく描けていたと思う。

ただ復讐というのは物語の本質からは外れているかもしれないといったが、ストーリーの中に出てくる復讐というものに対する、復讐では何も変わらないが、せめて失った人々にもう一度会うためだけに、懐かしい人々に対する供物が復讐というものだ、という見方はいろいろと考えさせられた。

桜ルートは、桜がすでに死んでいたというところからもう救われないのだろうな、とおもっていたが最後の回想シーンでずっと初雪を見守っていたところを見て、とても感動した、桜にはもう会えず、やりきれない感じのある終わり方だが、こういう締め方もよいかなと思う。

各個人√でも、最後は盛り上がった。
OPが流れたときは心が熱くなった。綾エンド2(グランドからの分岐)はバッドエンド以外の何物でもなかったが、、

各ルートの伏線と、グランドルートのその回収はよかったと思う。
徐々に真相に迫っていくというミステリー?のような要素もとてもよかった。
プロローグの最後の”ゴーストチャイルドは河野初雪自身”というのにも驚いたが、そのほかも真相がわかるにつれて納得がいく感じがよかった。

主人公の河野初雪は体験版発売当初から多くのキャラに嫌われていたらしいが、個人的には好きだった。
確かに女子に下ネタを平気で言い放ち粗暴なところもあったが、周りから不良といわれても自分の生き方を信じている姿勢はとても魅力を感じさせるキャラだと思った。物語でもあずまの弟や望にも影響を与えていたがこういう憧れられるタイプの不良というのは、よいと思う。よって序盤から主人公を嫌って作品を否定するのは早計であると思う。