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komaichiさんの魔法の守護姫アルテミナの長文感想

ユーザー
komaichi
ゲーム
魔法の守護姫アルテミナ
ブランド
Delta
得点
76
参照数
4023

一言コメント

魅力は肉体だけでなく精神的な未熟さが日常・エロシーン共に良く反映されているのと、凌辱の際に快楽に浸ってばかりでなく苦痛や感じてしまうこへの嫌悪感といった負の感情も疎かにしないでしっかり描写されていること。一方で触手・モンスターのバリーションが乏しい、1シーンの間隔が空きすぎているといった問題も抱えていますが、それを踏まえても綺麗で繊細なものを踏みにじる魅力は十分。嗜虐心を満たしてくれる良い作品だと思います。

長文感想

やはり魔法少女は凌辱するに限りますね。
というわけで、魔法少女と悪の軍団との戦いを描いた抜きゲー。

魔法少女というとTriangleのイメージですが、敢えてDeltaから発売されるということで
結構気になっていましたが結果はなかなか良かった。

メインとなる魔法少女は、有紗:アルテミナ、ユーリ:アポローグの2名。
どちらも控えめなおっぱいが魅力的です。

冒頭、有紗が異世界から来た馬のマグナスと出会い魔法少女アルテミナとして
戦いに巻き込まれることろから話が始まります。


■構成・展開

エンディング数は10【Happy 6/Bad 4】・・・だと思います多分。
※回想・CGが100パーセントになった時点でプレー終了したので細かなことは未確認

内訳は↓↓

アルテミナ視点・・・2ルート(Happy3・Bad2)
ユーリ視点・・・1ルート(Happy1・Bad2)
○○○○視点・・・1ルート(Happy2)

初回は有紗=アルテミナ視点で物語が進行しますが条件を満たすと、
ユーリ、そして○○○○へ視点変更が可能に。
視点変更ルートは基本単にアルテミナルートの視点違いですが、後半にさしかかると
それまでとは違った独自の展開に発展する仕様。

エンド数は多いですが、大きく分岐するのは基本的にラスト付近のみ。
感覚的には4ルート分という具合でした。

アルテミナの3つ目のHappy Endは全視点のHappy後、最後に解放されるのですが
分量もあっさりな上に別にあまりトゥルーエンド感は漂っておらず微妙な具合。

アルテミナ視点までは、突っ込み所が多いですが周回を重ねることで補完・説明が
されることも多いので、○○○○視点あたりまで我慢すると少しはすっきりできるかも?


大雑把な特徴としては

・凌辱内容の割に日常の雰囲気は軽め
・ヒロインの成長の描き方が丁寧

の2点が印象的。

雰囲気は終始かなり明るい。

まず友人たちとの日常の交流シーン(勉強会、肝試し、恋愛相談、通学風景、相棒の馬との会話etc…)の分量がとにかく多い。
また敵が有紗の在籍するクラスに見当をつけアルテミナを特定しようと画策してくるため、
ピンポイントで友人たちを狙う、調教して手籠にするといった展開も多め。
さらにルートによっては、クラスの男の子と恋仲になる等、有紗と
その友人や兄との交流にスポットが当たっている期間が凄く長い。
怪物の犠牲になり打ちひしがれる時などもありますが、圧倒的に普段の日常生活の
割合の方が多く、当に学園生活の傍ら魔法少女している感じ。

また戦闘シーンや幹部に迫力がないのも要因の1つ。
特に敵(特に幹部)、4天王的な幹部なのに召喚したモンスターが倒されるとあわてて退却したり、
幹部ならではの特殊能力みたいなもの滅茶地味、直接戦闘もあっさりやられるので
脅威よりも小物感が溢れています。
手に汗握るような臨場感などは求めていませんが、ダレ無い程度には緊張感が欲しかったかもですね。

そんなわけで凌辱エロと非エロシーンのギャップが凄く大きい。


もう1つは、ヒロインの成長の描き方が丁寧なこと。
これは上記した日常のボリューム、ヒロイン視点での進行、そして当初のヒロインが
有紗なら無気力無感動、
ユーリは極度の臆病と言った具合に精神的に未熟な少女として描かれていることが関係しているでしょうか。
戦闘では何度も失敗・敗北し、友人たちを危機にさらし、日常の大切さを噛みしめながら
時間をかけて少しづつ魔法少女として、1人の女の子として成長してゆく様子が描かれています。
伸び代は大きい。特に有紗で顕著。
個人的にはいきなり私が世界を救います的な正義感にあふれたヒロインよりも好感がもてて良かった。
また後述しますが、これが凌辱の際に実に活きてくる。


■エロ

回想枠51、うちエロシーンは46シーン。
内訳は【アルテミナ18(2)/アポローグ13(3)/セラ4/美鈴2/優花3/陽子先生2/まりあ1/まりあ美鈴優花1/美鈴優花2】
※( )は人間ver.でのシーン数

特徴は、

‐モンスター・触手凌辱
‐肉体だけでなく精神的な幼さが良く反映されている(+)
‐快楽調教に傾きすぎない責め(+)
‐モンスターの使い回しが多い(-)
‐1シーンの間隔が長い(-)

と言った具合。

言うまでもないですが、モンスター姦・触手姦が大多数。
内訳ですが[モンスター20/触手15/その他4]という具合。
その他は、人間による輪姦、人間に変装した幹部による調教など。

以下細かな内訳
※【シーン数(モンスター/触手/その他)→(あれば)特記事項】で表記

アルテミナ:15 (9/6/0)
アポローグ:10 (3/6/1)
アルテ&アポロ:2 (0/2/0)
セラ(悪の幹部):4 (4/0/0)・・・連敗続きでお仕置きなど
優花:2 (0/0/2)・・・人間に扮装した幹部に手籠にされ快楽の虜
陽子先生:2 (1/0/1)・・・生徒の身代わりに身体を差し出す
その他人間(単体&複数組み合わせ色々含む):4 (3/1/0)

魔法少女の場合は特に、幹部がモンスターや触手を召喚していることが多く、自ら責める
(♂チ○ポ突っ込む、♀鞭打ち、♂♀言葉責め)場合もあればノータッチの時もあり。
何らかの責めを行っている場合が多いでしょうか。


【Positive】
先に良い点を挙げると、まず精神的な未成熟さが凌辱シーンにがっつり反映されていること。

とにかく責めに対する耐性が魔法少女にしてはかなり低く、すぐに心が折れて叫んだり、痛みに耐えられなくて涙する、
誇りをを捨てて弱々しく懇願するといった描写が多いのが素晴らしい。
また触手やチ○ポへの嫌悪感も高く、心情描写での心が沈んでゆく様もしっかり押さえてくれています。

有紗は魔法少女になり立ての際には雑魚を蹴散らせるだけですっかり調子にのりその勢いで幹部に挑みボロボロに、
そのまま凌辱(処女喪失)など、エロシーンに突入するまででも稚拙さが表現されている。
ユーリは囚われて調教されていることもあり前半からプレーがハードで、そんな責めに
「負けない」みたく意気込んでおいて、
魔物の責めに一瞬で心がおれて「なんでもするから許して」と許しを請う脆さなどといった辺りも非常にそそる点でした。


また、あまり快楽中心の責めに傾倒しすぎないないのも好印象。
全体的に痛がっている台詞・反応が多め。
感じる場合は身体の防衛本能の所為で愛液が分泌されているうちに快楽を受け入れてしまい、
望まぬ反応をする自分の身体に愕然としながらビクンビクン身体を震わせるというパターンが。
絶頂してしまうことの忌避感・嫌悪感が高いのは素敵です。

ヒロインが快楽を積極的に受け入れるシーンはほぼ皆無。
例外は、友人の優花が敵の幹部に調教され言いなりにさせられる場合かアルテミスが
催淫ガスで操られるように好きなクラスの男の子を逆レイプする場合くらい。
快楽堕ちはバッドエンドでさえも無かった。

バッドエンドでも心が完全に折れることもなく終わってしまう点はやや中途半端ですが、
ほぼ全てのシーンで無理矢理感が良く表現できている点は好評価。


責めの内容自体は他の魔法少女凌辱作品と比べて決してハードな訳ではありませんが
この辺りの特徴は作品終盤まで表現されており、一貫して未熟な魔法少女たちを身体的・精神的に嬲ることが可能。
大変素晴らしい美点だと思います。

あとこれは割とどうでもいいことなのですが、ヒロインたちのパンツがみんなローライズなどではく、
もっさりした如何にも野暮ったいパンツなのも個人的には良かった。


【Negative】
一方マイナスな点は、とにかく触手・モンスターの種類の少ないこと。

この落とし穴には正直驚かされました。

OHPに出てくる4体(のうち3体)のモンスターばっかりでてきます。
特にゴブリン、パワー系の2種類の頻度が矢鱈高い(戦闘シーンではこれにカニモンスターが追加)。
その他OHP以外で目立っていたのは催淫薬撒き散らす奴、魔犬、丸呑み植物系など。
こちらはルートによって相手や責めのパターンが変化するので気に入ればなかなか良いかも。
でも種類少ないですね・・・

そして触手はモンスターよりはるかに無個性。
特にこれといった特徴がなく単に拘束する程度の触手は色々出てくるのですが
エロシーンを特徴づけるような責めとなると本当に少ない。
触手はグロい拘束具の一種と割り切る方がよいかもですね。
その代わり拘束の種類やポーズはバリエーション豊か。

ちなみに戦闘シーンのマンネリ感にも一役買っているかもしれません。

1シーンとの間隔が開きすぎているように感じるのは、シーン数の割に細かいエンド分岐が多い所為だと思います。
特に視点変更ルートに入ってからが顕著。
1シーンで確実に抜かないと次のシーンに行くまでに気分が萎えてしまうというのは困りものかも?

あと、個人的にはバッドエンドは凌辱2、3回で即終了せずに、話としてボリュームを
持たせてもっと絶望感溢れる展開が欲しかった。
あらに心が完全に折れて堕ちてくれたらなお良し。

2、3点目はともかく、とにかくモンスター&触手のバリエーションはもう少し頑張って欲しかった。。


怪物の種類に関しては少なからず評価を下げざるを得ませんが、嫌悪感強めな魔法少女を
身体・心共に甚振り通すことができる点は大変素晴らしく全体としてみれば実用性は高め。


■まとめ
というわけで、凌辱としてのポイントはしっかり押さえてくれているなかなか良い作品だったと思います。

ただ欠点は欠点でかなり大きいので注意が必要。

ロリ体型な魔法少女を甚振りたい方はチェックしてみるのも悪くないかもしれません。
体験版でのエロシーンの嫌悪感が最後まで続くイメージを持っておくとよいかも?

アクティベーション付きなので下調べはしっかりとした方が良いでしょう。