女装ゲーではなく成長譚として見れるかどうかがカギ
主人公の才華は基本的にナルシストでいたがっているものの、その内実はコンプレックスで捻れまくっているという複雑なキャラなのでそれが受け入れられるかどうか次第で評価は大きく変わる。
描写の濃淡はあるもののどのルートも才華が成長し、両親の影響からの脱却・自立がテーマの一つとして描かれているため、才華のキャラクター性が受け入れられなければかなり評価は落ちると思う。
また、その分女装ゲー、主従ゲーとしては前作と比べて大きく劣っているため、それを求めるユーザーの評価もやっぱり落ちるだろう。
個人的には「つり乙」に女装も主従も別段求めていなかったし、あの二人の子供が主人公で、しかも成長譚という好みのストーリーだったので初代つり乙よりもずっと好きな作品になった。
個別ルート自体の出来も、今作は所謂捨てルートが無い分、平均では初代よりずっと高いと思うし、エストルートなどはルナルートやユーシェルートと比べても何ら遜色のないシナリオになっていると思う。
ヒロインたちも個人的には前作以上に可愛い子揃いだと思う。
特に八日堂朔莉は個人的には今までのNavelでぶっちぎりナンバーワンと言っていいほど良かった。
変態なんだけどものすごく良い子だ。
ただ、サブキャラクターたちは、初代つり乙はともかく、「乙女理論」には大きく劣っていると思う。
新規キャラで印象に残ってかつ好きになれたサブキャラはマルキューとジャス子くらいだった。
個人的には初代つり乙より好きだけど、やはり劣る要素も多いので、結構人によって評価が割れそうな作品ではあると思う。
もちろんある程度以上のクオリティはあるので良作か名作か、くらいの基準での話だけど。