ErogameScape -エロゲー批評空間-

kodakaさんのChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-の長文感想

ユーザー
kodaka
ゲーム
ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-
ブランド
インレ
得点
90
参照数
702

一言コメント

4章途中までを赤穂浪士再検討とするなら、4章途中・5章は夢物語。賛否両論あるだろうが、制作者の魂を感じられる作品なので、歴史好きでなくてもプレイして欲しい。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

3章までは・・・って感想はよく見かけるので、どうしてそうなんだろうと考えたことを。
感想は面白いしか書けないので(笑


誕生日=討ち入りってことで、どっちかと言わなくとも赤穂浪士に詳しい部類に入ると思う。
3章までを赤穂浪士擁護、正義とするなら、4章はそれに対する反論ととれる。
果たして赤穂浪士は正義であったか。
浅野内匠頭が精神障害だったのでは、ってのはかなり有名な説なので、それを避けて読んだ文献ってなんだよと直刃に問いたい。ちょっとぐらい調べれば赤穂浪士陰謀説なんて山ほどあるわ、と。
まぁともかく、一学を通して作者は自身の説に反論するわけだ。
歴史の研究は、文献批判・著者批判・自己批判で成立するから、4章途中までは歴史物と言っていいと思う。
ただ、4章後半からは、有り体に言ってしまえば「僕が考えた赤穂浪士」であって、歴史物ではない。

これが3章までは・・・と言われる理由の一つなのかなと。
歴史小説を読んでいたはずが、途中からいきなりファンタジーになったら誰だって驚くわ。
まぁ歴史上の出来事にifを考えるのはある意味当然で、赤穂浪士好きすぎだろうが、私の最初の感想でした(笑


史実があって想いがある。それが一人一人の「歴史認識」となる。
教科書にはない物語があればいいな。