100点以上つけたい。10年以上のエロゲへの投資は、この作品に会えただけで報われたというものです。極度に洗練された芸術作品のよう。エロゲやり始めたと思ったら映画を見ていたような気分
カルタグラでギブアップしてこのメーカーの作品は避けてましたが、
評判が気になり殻の少女からやってみることに。
殻の少女はさすがに数年前の作品だけあって不満点がいくつかありましたが
虚ノ少女は不満どころか最近やった全てのゲームの中で抜きん出ていると思います。
このクオリティは恐ろしい。
100点以上。もし100点を「支払った金額分満足できる作品」とするなら、100点以上付けたいところです。。
日本の田舎を舞台にしたエロゲ作品で一番好きだったのは、「果てしなく青いこの空の下で」でしたが、
ジャンルは違えど、そのくくりで考えるならそれをさらに昇華したような作品でした。
とはいっても、今更「果てしなく~」をやっても、初めてプレイした時のような感想を抱きえないほど
物足りないものとなっていますが。
恐らくこのゲームの良さは、大人にならないと分かりづらいですよね。
自分は20歳前に同メーカーのカルタグラをやった時にはすぐに投げてしまいましたが、
ようやくこのような作品を理解し楽しめるくらい成長したような気がして嬉しいです。
エロゲでわかる成長度!
CG、演出、シナリオ、ボイス、音楽、登場人物の魅力それぞれが最高レベルです。
とにかく品質に妥協がない。
CGは、直前にプレイした殻の少女の時にかすかに感じた
「絵師の癖」が巧く抜けて、さらに洗練されたものになっていると思います。
幅が広がったというか、特に「佐東さん」を見ればそれが顕著かとおもいます。
演出は、
その場に本当に自分が立っているような臨場感を味わえるほど
効果音やキャラクターの表情の変化が凝っていますね。
その場の些細な物音にも気を使っていると感じさせます。
シナリオは、
有無を言わせぬ説得力と表現力、構成力。
何がいいたいかと言えば、大抵中途半端な作品を読んでいると
矛盾を感じたり、語彙の乏しさに失望したりするものですが、
そういったものは一切ありません。
また、広げ過ぎた風呂敷を1つに丁寧にまとめていき、
伏線回収が漏れることがありません。
謎は1つずつ衝撃をもって解き明かされていきます。
ボイスは、
私はたいていこういったゲームの音声は聞かずにプレイするのですが
それは声が作品に合わないほど拙かったり、自分が気に入らなかったり
するからですが、そういうことはなく、
1流のプロの声優が熱意をもって演じていることがありありと分かる
くらい素晴らしいものです。
演出の所に書いたような、些細な感情の機微が声で表現されていますね。
証拠を突きつけられて、驚き、それでも隠し通そうとしている、とか
プレイして聞いている自身が、その場に居合わせているかのような・・・。
音楽は、効果音と一体となって臨場感を演出し、
決して邪魔にならない素晴らしいものです。
「効果音の延長」のようなBGMですね。この作品になくてはならないものです。
登場人物は、それぞれが魅力あふれていますが特に
時坂レイジはかっこよすぎますね。
それと女性の登場人物はヤマトナデシコが多く奥ゆかしいのですが、
その所作に日本人の男として妄想を掻き立てられます。素晴らしく魅力的です。
特に紫さんは最高です。
主人公の妹役なのでエロ的表現はほとんど出てこないですが、
秘められてるからこそ、「もしそうなったら」と言う妄想が止まらない。多少きもいですがすいません。
この作品は、万人に受けるものではありませんが
私とすれば100点以外つけるのが失礼だと思われるほど圧倒的な品質だと思います。
一つ個人的な不満を上げるとすれば、
現在の二見憂と高城夏目さんをもう少し可愛く描いてくれれば・・・。
ほんとそれだけですね。どうしようもない個人的な思いではありますが・・・。
特に二見憂は、過去の立ち絵や考え方、話し方がかなり好きだったのですが
現在の立ち絵は劣化した感が残念でした。