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kisuke_tさんのティアーズ・トゥ・ティアラII 覇王の末裔の長文感想

ユーザー
kisuke_t
ゲーム
ティアーズ・トゥ・ティアラII 覇王の末裔
ブランド
AQUAPLUS
得点
84
参照数
1896

一言コメント

シナリオ、SRPGともに前作よりかなり良くなってる!

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 ティアーズトゥティアラと言えば、ギャルゲにSRPGがおまけでついている程度という認識だったのですが、今作では前作以上にSRPGに力が入れられており、ギャルゲではなくしっかりしたSRPG作品と呼べる程に成長しているように感じました。
 とはいえ、ギャルゲ好きーから言わせて貰えばギャルゲ要素が減ってしまったのはとても残念です。ギャルゲじゃなくて普通のRPGにありがちなヒーローとヒロインの物語になっちゃってました。主人公ハーレム期待したんだけどなぁ……。

 シナリオは前作よりも好きです。
 前作では最後の方がトンデモ展開でついていけない部分がありましたが、今作ではそういう部分があんまりなくて最後まで地に足がついたお話として終われていました。
 個人的に今回の主人公の立ち位置が好きで、RPGのキャラクターと言えば、遊撃隊と言うか国とかそういうしがらみとは無縁で自分達の好きなように行動しているイメージがありますが、ティアーズトゥティアラⅡの主人公は、国と戦争を起こしている地域の将として行動しているため、「戦争」というのが強調されていて新鮮に感じました。兵の事を考え、国側との力の差を考えて行動していたりと、とてもリアリティのある攻め方が良かったです。
 感動する場面も沢山あって、ハッシュドゥルバル様世代の話とか、エシュモの時代の回想シーンとかめちゃくちゃ泣きました。エシュモのお話はなんてこもない回想話なのですが、ハミル世代で語り継がれている英雄王エシュモと、実際のエシュモ青年との違いが何かすごく悲しかったです。思い出すだけで泣けてくる。
 男性キャラよりも女性キャラの方が目立ってるかなーって心配していましたが、そんな事も無く。むしろ仲間入りタイミングの見せ場が終わった後は女性の方が空気かも。個人的に好きなキャラは、ディオン・エネアデス・レリウス・アエミリアです。
 ディオンとエネアデスは初期メンバーって事もあってか安定した出番がありましたし、レリウスはまさか仲間になるとは思ってなかったので仲間になってくれてめちゃくちゃ嬉しかったし、さらにディオンとレリウスは何故かヒロインを差し置いていち早くハミルとの協撃技が出来たりと男性キャラクター優遇されてるなぁ感がありました。
 アエミリアのアンニュイな感じも浅川さんのボイスも相まって素敵でしたしねー。

 あと、前作ファンにはニヤリとできる要素もちょこちょこあります。本編にエポナとタリエシンが登場したり、妖精族の回想シーンにアロウンとプィルが登場したり、クリア後のおまけシナリオ序盤でレスティとスィールが登場したり……。(おまけシナリオは声なしです)
 アイテム屋には、アヴァロン直伝のアップルパイとかゲール鍋やカニ鍋なんかも置いてあって前作との係わりが思ったよりも多かったです。
 まだおまけシナリオはクリア出来ていないのですが、もしかしてクリアしたらアルサルに会えるんじゃないかと夢を見ながら頑張ってみます。

 マイナス点は、象でしょうか。
 今回は戦闘中に味方の入れ替えが出来るという画期的なシステムがあり、そのせいで常に戦闘には象と象車が強制的に参戦するんですが、初期の位置も固定されたりとちょっと不便に感じることが多かったです。
 せめてフリーバトルくらいは参戦するかしないか選べたらいいのに……と思いました。象と象車のせいで魔法範囲から味方がはみ出す等、イラッとする事が多かったです。

 あとバトルのランク付けも出来ればやめて欲しかったです。確かに目標になってバトル頑張ろうっていう気持ちにはなりますが、気になりすぎてバトルが楽しめませんでした。敵を殲滅したいけど、ターン数増えると評価が下がるからさっさと済まそうとかといういう考えになっちゃって……。まぁ二週目するときは評価気にせずに好き勝手やろうと思います。

 キャラの3D時の頭身が下がったのも残念でした。何かバランス悪いのもちらほらいたし。

 プレイ時間は70時間。難易度はノーマルで、10キャラクターほどレベル99まで育てました。