フルコンプ完了。伝奇物語系。桐月先生らしくコンチェルトノートや黄昏のシンセミアの雰囲気を汲む作風かと思います。
笑いや萌えよりも読ませる文章中心で構成された物語は引き込まれる場面も多々あり
序盤中盤はかなり集中して楽しませて頂きました。
超常現象に対する、ヒロインたちの心理描写がメインになった物語のようで
心理描写に関しては水準以上のレベルの内容になっているかと思います。
しかし物語の締めとなる超常現象の中核となる事象に対する解決プロセスの記述が希薄であり
危機的状況だったのが気がつけば解決していた。というルートも多々見受けられたのが残念でした。
★長所
1.既読部分表示並びにジャンプ、プレビュー可能なフローチャートシステムは業界トップクラス、非常に使いやすい。
分岐点がわかりやすく、無駄なプレー時間なく攻略できる利点があります。
又読み返したい部分も簡単に検索可能となっています。
実質セーブロードがなくとも通用するレベルの使い勝手のよさでした。
2.全ヒロイン攻略可能。Hシーン等有。
Hシーンの見られないヒロインがいないというのは個人的にはストレスを感じず非常に魅力的でした。
3.個別ルートのイメチェンリーゼは女神(笑)
但し敵対ルートでのリーゼの形相はかなり怖い^^;
★懸念点
1.竜頭蛇尾?
尾っぽの蛇は最後どうなった状態?投げっぱなしの伏線も多々あるような・・・
2.伝奇物語、物語に力点が入りすぎ萌え分が希薄すぎ?
物語の核となるヒロインはメインは「くおん」それについで「エウスリーゼ」ですが
どちらも個別ルートに入るまでは萌えたり色っぽさは欠片もありません。
怖さ、豪快さ?中心で描写されており物語としてはOKでしたがエロゲとしては微妙かもしれません。
3.2012年発売タイトルにもかかわらず、フルスクリーンモードで横に伸びます。
フルスクリーンモードを実装されるのでしたらワイドディスプレーへの配慮が欲しいところです。
★当方プレー順序並び実所要時間
共通部分が存在するため、最初に攻略したヒロインのプレー時間が長くなっています。
個別シナリオはメインヒロインシナリオ(くおん、リーゼ、文香、沙織)の方が
サブヒロインよりも長くなっているようです。
プレー条件
フローチャートシステム利用により攻略2順目以降は物語分岐箇所よりプレー
Hシーンは8割がたスキップ
1.久那崎理奈:6時間30分
2.三田春名:5時間23分
3.相原沙織:3時間19分
4.エウスリーゼ:7時間17分
5.アリーセ:20分
6.永月文香:3時間13分
7.飯塚香夏子:40分
8.八重:1時間6分
9.くおん2ルート:1時間52分
※1.Bad分岐数箇所はプレー時間も短いため未掲載
※2.アリーセと飯塚香夏子ルートは物語も薄く特に短い印象でした。
総プレー時間:29時間40分
Hシーン数(アフターストーリー分を含む)
くおん:4シーン(True3シーン、Bad1シーン)
永月文香:3シーン
相原沙織:3シーン
エウスリーゼ:3シーン(内1シーンはアリーセとの3P)
アリーセ:1シーン
久那崎理奈:1シーン
三田春名:1シーン
飯塚香夏子:1シーン
八重:1シーン
以降ネタバレ?
★総論
終盤の物語の締めがしっかりしていれば大化けした可能性を感じる作品。
人の心のうちを世界に曝け出す「異界」という存在、
各章における人々の心の内面描写の物語という点では一読の価値有かもしれません。
※プレー開始から中断を挟みつつコンプまで約一ヶ月、少々長かったです。