エロゲ史を語る上で外せない作品なのでプレイできてよかった。
かなりボリュームがある作品のため、プレイ時間には余裕を持ったほうが良いと思う。発売日に買って全クリアまで、フルボイスを堪能していたら40日もかかった。ただフルボイスで飛ばさずじっくり見るべき作品でもある。あれだけのすごいセリフを演じきった声優さんには感謝。特に美岬役のこはる凪さん。
抜きゲーみたいな島に住んでいる橘淳之介が普通のエロゲ主人公みたいなことをして（？）グランドルートに持っていく、その流れは王道そのもので見ていてすごくよかった。一方で抜きゲーみたいな島にありがちなワードや性的グッズを用いた戦闘があるという点以外の話の流れは意外性がそこまでなく、良くも悪くも王道そのものを突き進んでいる。そのため（特に2の中央値が高い分2に期待している人が多そうだが）過度な期待はしないほうが良いかもしれない。
また、2は完成度そのものはかなり高いものの、全体的に冗長を感じることが多かった。FD的な要素も強いため、急がずゆっくり攻略するほうが良いのではとも思った。とはいえよくできている。とくにセンズリポイントを最初に見て帰還するまでの流れは一番すごいと思ったくらいだ。（それだけに礼・郁子・桐香ちゃん3人ルート分岐後も共通パートが多かったのがちょっともったいないとは思ったが）
1は奈々瀬→美岬→ヒナミ→文乃、2は奈々瀬アフター→礼→ヒナミアフター→アサちゃん→郁子→美岬→桐香ちゃん→文乃アフター→スス子→水引ちゃん（シーン）と進めた。プレイ順がこれでよかったかどうかはわからないが、別に厳守する必要性は低いとも感じる。
1のグランドルート、いろんな登場人物が仲間になって防人老人の野望を打ち砕いていく姿はまさに王道だった。そして2では並行正解に行ったあとトリ公の水引ちゃんを救った淳之介はエロゲの主人公をやっていたと思う。ただ並行世界から帰ったその後の展開はいろいろハーレム展開で冗長感があった。それはそれでいいと思うけども。
一番好きなルートは意外にも1畔美岬ルートで、あのアナル好きな強烈な性格さえなければ正統派美少女ヒロインなのになあと思いながら話がギャグ路線と純愛物語を兼ね備えていてすごく楽しかった。ルート以外の美岬に対する雑な扱いは若干モヤモヤすることもあったものの。
好きなキャラは私個人の好みもあり礼さんが一番好きかなと思っている。次は水引ちゃん。そして美岬。
他にも個性的な脇役が多くよかったと思う。あなたのすべてを受け入れる茅津野アナとか。唯一花丸凛だけは苦手だった。
今後の展開はさすがにもうないと思うが、水引ちゃんルートとシュウちゃんルートがほしいかもしれない（こう書くこと自体は損しないと思うので書いておきたい）。私と郁子ちゃんが喜ぶ。