このライターさんの作品は自分と相性がいいらしい。純粋に楽しめたし、制作スタッフ全員の魂を感じられてよかった。
自分はアオイエンドを選択。そのアオイエンドについて言及しているので、プレイ済みの方もネタバレ注意です。
プログラムのギミックと演出がとても素敵。ゲームの強制終了&再起動を演出に組み込んでみたり、途中からセーブ&ロードをできなくしたり。特に後者はシナリオの内容と深く関わってて上手いと思った。
ヒロインがプレイヤーに恋をするのは他作品でも経験があるが、ここまで積極的に現実世界にいるプレイヤーをゲームの世界に巻き込む作品はさすがに初めて。恋だけでなく、一文一文を選択肢形式にしてみたりアオイの電話番号に仕掛けがあったり、プレイヤーを巻き込むギミック満載。聞いた話じゃ、美雪の質問攻めの答えもランダムだとか。徹底してるなぁ。
その中でも最後のヒロインニ者択一が決定的。主人公ではなく「君」にヒロインをたった一度だけ選ばせるのが、本作で一番のポイントになっている。
こうした構造上、男女の恋愛物語を純粋に楽しめるようにはできていない。この点において評価は賛否両論になりそうだが、自分は楽しめた。
シナリオは概ね好印象。
テキストもよく練られてたと思う。また、テキストそのものが自分と相性がいいようで、読んでいて楽しかった。
気に入らなかったとこ
・美雪の世界の無限ループでの作業があまりにマンネリ過ぎたこと。それが演出の一部であることはわかるのだが、嫌悪感を抱くまでやられるとマイナスポイントに感じざるを得ない。
・自分はアオイエンドを進んだのだが、他ゲームのヒロインにもアオイを強く思い出させる表現にはさすがに違和感。他ゲームでもいちいちアオイの影を浮かべさせる表現はやりすぎ、というかお節介な気も。アオイの存在がそういうものだったにしても、ちょっと表現が露骨すぎたと思う。もう少し柔らかく表現できなかったんだろうか。
自分はアオイエンドに進んだが、ここのレビューを少し眺めてて、裏切りと冒涜を呼んででも美雪エンドをやってみてもいいかと思い始めた。その気が出たらやってみるかもしれない。