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killbillwillilさんのゴールデンアワーの長文感想

ユーザー
killbillwillil
ゲーム
ゴールデンアワー
ブランド
NIKO
得点
85
参照数
3446

一言コメント

ナイス青春謳歌

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

購入当日徹夜してオールクリア。問題はまだあるが全体的にやりがいがあった。

少ないが、漢字間違いあり、立ち絵バグあり(急に服変換、スタンド使いみたいな立ち絵位置錯誤など)。

グラフィック方面は文句なし、通常CGから全部美しい。
強いと言えば不満が一つだけ:立ち絵でキス表現する時、元サイズの立ち絵を拡大し過ぎてモザイク感がひどかった。

共通パートでキャラの問題を解決すること(瑠璃、すず)は評価したい。
そしてちゃんと伏線を「回収しなくても話としてブレない」程度に設置するのもまたグッド。
キャラ間のやり取りや描写からテーマまで、全部青春感を重視し、表現するのは微笑ましい。

個別ルートについて、完成度としてアシストライターさんが参加した2ルートは一息足りない。
すずルートは平穏過ぎたし、場違い感が強い。(だがリサリサはいいキャラ立ちだった)
夏未ルートは姉の方にフォーカスさせ、ひとルート自身としては不公平感が強い。(夏希ルートの表としてはちゃんと役割を果たしたが)
瑠璃ルートはふさげる感を基にしたイチャラブ重視で独特な印象を残した(褒め言葉)。
まりかルートは単体として完成度高かった。後日談はまた「普通に予想がつくがそれがいい」。

そしてTEとして存在した夏希ルート。
共通パートで既に多すぎたヒントが出されて、他の個別ルートにも補完として触れたことがあった上、謎自身は大体のプレイヤーがユキが話してくれる前に気づくと思う。
だがそれでも、いや、むしろそれだからこそ、ユキの録音ファイルから始め、振り向くたびに、「二度目」の行為・言葉を気付くする程感動がどんどん増えてくる。

タイトル通り、「ゴールデンアワー」とは、短い間にの代わりのない光景。
「青春」そのものだ。
最初から最後まで、シナリオが色んな方面で青春を謳歌していた。
だから最後の「忘れたかどうか」はそんなに大事なことではなくなった。
大事なのは、「忘れないと決意した行為」自身だった。
私たち一人ひとりの青春みたいに、忘れたか否か、そこにあることは変わりはしない。

個人的には、もっとはっきりしたエンディングが見たかったが、それもまたただのわがままで、減点にはならない。

あと、今回ポサラさんの演技は最高でした。