古き良き英国物語。女子侯爵と使用人たちが織りなす心温かな物語。読み終えたあと、優しい気持ちに包まれます。
ダメ執事が協会に派遣されてやってきたお屋敷は借金ありまくり使用人はサボりまくりのとんでもない屋敷だった…!
という冒頭から始まり、主人公が奮闘してなんとかしていくというおはなし。
まず大槍葦人氏の絵がとても綺麗なのはパッケージを見て明らかだがシーンのグラフィックの多さに驚いた。
タイトル画面や環境設定も凝っていて、タイプライターのような音等異国の国を感じられてよかった。
この作品は緩急のある話ではないし非日常が起こったりもしない。ありふれた英国貴族たちの日常だが、投げやりだった主人公が段々と執事として成長し、まわりの使用人たちが感化され屋敷に活気が戻ってくるという展開がとても好きだ。使用人なのにぐーたらだがどこか憎めない。自分もこの屋敷で働いてみたいな…と思えるほど楽しくて、素敵な物語だった。
ロビィがいちばん好き。エンディングの広大なアメリカの土地でこれからみんなで暮らすという締めが最高。
リタ√も優しいおはなしで良かった。コレットとニナは駆け足すぎて少し物足りなさを感じてしまった。
エロゲーにエロ要らないわけないだろと思っているが、美術館に飾られてる絵画のようなイメージで見ていたのでこの作品に関してはエロシーンはあまり…
オタクなので隙あらば自語りするが、ひとり図書室でほとんどだれも借りてない海外の児童文学で当たりを引いて何度も何度も同じ本(おそらく少女小説)を読んで喜んでいたこどもの頃の気持ちをこの作品を読んで思い出した。自分の中の大切な作品が増えてうれしい。