本作を本作風に例えるなら、スカイ本編のライターがノインツェーン、本作ZEROのライターがスカベンジャーだといえる。長文はとりとめのない雑記
現時点での本作の評価数は前作の半数以下。
つまり単純に考えれば、本作ZERO2をプレイした人は前作ZEROをプレイした人の半数以下であり、それだけ前作で見切りを付けた人が多いということ。
確かにクセはかなり強いし、クリアまで相当に時間が掛かったが、それに見合うだけの価値はあったと思う。
私のZERO+ZERO2のプレイ時間はバルドスカイ本編のDive1+2とほぼ同じだった。
ZEROはスカイ本編より固有名詞や小難しい理屈付けが多いだけでなく、SASという特殊な世界観設定とルート毎の状況説明を良く把握しなければ、物語を十全に楽しめなくなる。
そこらの萌えゲーのように思考を停止し、まったりとプレイすると痛い目を見る。
シナリオについてはシゼルルートが割と苦痛だったことが記憶に残っている。
正直、あの人がヒロインとか誰得だよって話だと思う。
シゼルがヒロインよりリーナがヒロインだった方が物語的に色々と深く絡められたと思う。
むしろなぜリーナルートがなかったのか。
一方、マレルルートはよくできていたと思う。
後半の展開は少しダレたし気に食わないところもあったが、それでも勢いに任せて突っ走れたと思う。
ただ、17章を見るのにもう一周しなければならないというのが残念すぎる。
私はもう気力切れで諦めた。
おそらく17章で物語の核心部分が大なり小なり明かされるだろうから、いつか時間があったらプレイしてみたいが……
バトルパートはスカイ本編と比べると相当に遊びやすくなっている。
前作ZEROからも進化しているし、特に問題はなかった。
CGは立ち絵は完璧。文句はない。
シュミクラム関係のCGは綺麗で素晴らしかったが、キャラのイベント絵なんかは幾つか作画が変なところがあった。
音楽は不満なし。
主題歌も相変わらずのKOTOKOで安定しているし、BGMは数が多く名曲も幾つかあった。
システムも不満はない。
本作は前作と違って一度もフリーズしたり強制終了したりしなかったし。
バルドスカイZEROという作品は良くも悪くもクセが強い。
スカイ本編は読みやすいテキストと空ルートでのカタルシス、程良い厚みの世界観設定で万人受けする仕様となっていた。
だからこそ、前作ZEROで違和感を覚えた人は多いと思うし、本作ZERO2までプレイしようと思う人も少ないと思う。
そもそもZEROの評価数からして少ないとはいえ、スカイDive2では1500近くの評価数を誇るのに、本作ZERO2はその約20分の1。
なんか、悲しいね……
最後にこれだけは述べておきたいのだが、シナリオライターの科氏は凄いと思う。
ZEROの複雑な世界観設定で良くこれだけのシナリオを書いたものだと感心する。
ある意味、ZEROはスカイ本編を凌駕している。
これからの科氏の活躍に大いに期待する。