駄妹
このライターの人は、ホラーとか特殊な設定はやらないほうがいいんじゃないのかというのが一番の感想。前作は設定がまるで活きてなかったけど、今作は活かしてるものの、設定の練り込み不足。いや、設定に従ってもいない。
たぶん、このライターさんに求められてるのは、駄妹、ギャグ、学園モノなんじゃなかろうか。足を引っ張るような変な設定はいらないんじゃないかなぁ。実妹とヤレるための設定って面もあるんだろうけど。
悲恋ものにしてもうーん、結論ありきで話が進んでいって、その中で泣かせるほどの力はなかったなぁ。なんでこんなイマイチなんだろうと考えてみたら、設定うんちゃらも含めて描写不足なように思います。
かーちゃんすげえ強いはずなのにナイフで武装した雑種にやられそうになったり、グレてた理由から改心までがあんまりにもアレだったり。
悠は人食わなきゃ死ぬとかいう序盤はなんだったのあれ。
養父が山行ってた理由とかもわからんし、というか3年くらいで職を転々としながら飲んだくれて二人の子供を育て500万貯金残すってかなり優秀じゃないのこの人。
直の家出理由が親戚のおじさんとお見合いだったり、クラスメイトの性格がゲスすぎたりなど、数例出してみて、突飛なんですよね。きみのためにホームラン打つよ的な病気の娘も。非常に安直。安直すぎて突飛。そのまますんなり飲み込めない。いちいちドラマティックが止まらない。
というかなんだこの世界は。こんな世界、主人公じゃなくても生きるのがつらい。もっとまともな世界であってほしい。あんな達観した人生哲学を語る説教臭い9歳女児が存在する世界は嫌だ。全面的に自分に優しい味方かゲスい敵しかいない世界は嫌だ。金ないくせにバイトもしないでタバコ吸ってる主人公がいる世界は嫌だ。
相羽が助けにくるシーンも、対決シーンでも主人公がだらだら思いの丈をしゃべってるだけで、相羽に響いてる感じはなかったし、それまで長らく相羽とのやりとりもなかったのに突然出てこられても、感動できない。描きたいシーンばっか先行して、過程が弱く、それが突飛に感じてしまうのかなぁ。悪くいうと雑。
とはいうものの、今回は姉という、あれ中々いけるやん的な幅もみせてくれましたし、駄妹やキャラクターやかけあいのギャグなどは好きなので、次回にも期待します。