シナリオもキャラも良く、ゲームの質自体は高いんだけど、大きすぎる設定が消化され切れず、もやもや。
私事になりますが、発売後間もなくヒメリアルートをクリアして残念な気分を味わった直後に、PCに問題があり、HDDをフォーマット。このゲームもアンインストール、そのままやる気が起こらず、放っておいたのですが、最近エロゲづいてきて、勢いで再プレイ。今度はヒメリアルートを最後に持ってきました。
どうして当時ヒメリアルートを残念に思ったのかというと、共通ルートで育ったわくわく感が肩透かしで終了してしまったからです。話が中途半端で、大きい設定がまるで消化されず、ただ設定があるだけの、尻すぼみの内容。共通ルートで大きくなった期待感はどこにもっていけばいいんだろう…。
そんなことをなんとなく覚えてたまま、再プレイ。最後にやったヒメリアルートで、前回のプレイとはかなり印象が変わりました。
たぶん、当時の私も他のプレイヤーの方も共通を終えた時点で、イメージしたのは、きっとヒメリアルートでは星獣を集めきるんだろうなということでしょう。それが実際プレイしてみると、集まったのはたった一つだけ。そして夢オチみたいなんをみせられて、終了。なんじゃそら。
しかし、他のルートからやってみると、これがしっかりやられてる。おそらく、ヒメリアルートの続き、あのまま時間をかけ、星獣を集めた場合、くっつくヒロインや細部の違いはあれど、他ルートみたいな感じで進むのでしょう。そして、最終的に、ヒメリアルートの最後のシミュレーションみたいな形になる。つまり、全ルートでヒメリアルートを補完してることにもなっていて、ヒメリアルートを再び終えて、これは上手い作りになってるなと感心しました。
ただやっぱ、これだけの舞台を用意したんだから、もっと膨らませて、というのが正直なところです。今回はほとんど最低限といっていい部分くらいしか消化されてなく、思わせぶりなセリフや消化されないままの設定がたくさんあってもやもやします。
小春だけでなく、九帖家のルーツも宇宙人っぽい。ヒメリアルートをみるに、夕輝もそうなのかな。星船の端末は学園長でいいと思うんだけど、ということは吹雪の人工知能は学園長のコピー? それを夕輝の父親にコピーさせたのは学園長なんだろうけども、二人のつながりはルーツがエウレリアにあると考えればわかる。吹雪がどうして東京などの中央ではなく、星見町みたいな片田舎にある理由もわかるけど、これらは答えがないので、意味のない考察。はねるが盗んだものって何、ばあちゃんは何者とか。星獣って何。昔やヒメリアの祖母に何があったの。なんか思わせぶりなんばっか。思い出して書いてたら、だんだん腹が立ってきました。
制作サイドは作った以上は責任をもって完結させて欲しい。これから買い集めますが、FDで全部消化されるんですかね。
どのシナリオにも燃えシーンが用意されているんだけども、なぜだか燃えない。どれもあんまピンチじゃないのもあるし、敵が敵っぽくないところもあるし、何か淡々としているし。美味しいシーンなんだけどなぁ。
聖ルートの主人公は「おまえを気持ちよくしてやるぜ」とかなんの陵辱寝とりゲーの主人公なんだよみたいな。ちょっと嫌な性格でした。
小春ルートはくっそ寒いギャグが延々と続き、苦行かと思いました。ほんとにギャグが寒い。ひどい。話の展開やエピローグはすごく好物なんですが、小春は別に宇宙や星船に興味もってるわけでもないのに、最後宇宙旅行することになっており、なんか釈然としない。先の燃えらんねーと同じ理屈なんですけど、きちんと伏線を張って、小春の気持ちの変化を描いて欲しかったです。
ほんとにシナリオも雰囲気もキャラも好きなんで、消化不良で終わって残念。もったいない。
もっと膨らませたひめごとユニオンをプレイしたかったです。