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kidopeさんの太陽のプロミアの長文感想

ユーザー
kidope
ゲーム
太陽のプロミア
ブランド
SEVEN WONDER
得点
80
参照数
526

一言コメント

名作に推してもいいと思うんだけど、不完全燃焼……。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

設定厨を自認している、私にとっては最高のオカズでした。プリンセスワルツも楽しめたのでかなりの期待をもって始めましたが、期待を裏切らないものでした。
プリンセスワルツの残念だった点は、どのヒロインを選んで話がほぼ同じで、ちょこっと変わるっていう、周回しがいのないところでしたが今作はその弱点は解消していました。が、新たな残念な点が……。

どのルートも話が中途半端で、どうも一球入魂と呼べるほどのルートがない。それはこの手のノベルゲーにおいて、大きな弱点になってしまうように思います。
やっぱり見たかったのは全ヒロインが協力して、力を開放し、死力を尽くして戦うシーンでした。各ルートで、バトルで目立つのはそれぞれのヒロインであるのは仕方がないのですが、そのせいでもうひとつバトルが盛り上がりにかけたような気がします。ピンチに陥ったらぷおおおおおおおでどうにでもなってしまったのもありますし、ぷぅの限界を引き出して、それでもやばいかもっていうくらいのぎりぎりのバトルも見たかったです。どうもどれも最初から解決策というか、光明がみえてる上での戦いのようでした。そういった要素が積み重なって、全体的な緊張感を損なっているように感じました。
エロなしでもいいのでプロミアルートとか、全てのルートを総括するルートが欲しかったように思います。
それから、気になったのが演出で、特に終盤の実はこれが~だった!っていう真実が明らかになるにしても、淡々としすぎているような感じがし、せっかくの設定が演出不足でもうひとつ活かせなかったかも。演出も中盤までは良かったんですけどね。過去の話なんかも断片的で、もうひとつ感情移入がしにくかったんですよ。もうちょいこってりに味付けしてもよかったと思います。その辺がほんとに惜しいと感じました。
過去編をきちんと入れるだけでも、全然違ったと思うんですが。

ただ相棒のぷぅがかわいい。いや、ペドじゃないけどかわいい。そのぷぅとの絆を確認させてくれるようなエピソードも盛って欲しかったです。

全体的な満足度は高いし、もっと上を目指せるポテンシャルは秘めてるのに、あとちょっと届かない。そんなゲームでした。