日常の片隅にある非日常を描いたSFチックなファンタジー3人のヒロインを通して三者三様な見せ方は面白い。
ある日電車のホーム、いつもと同じ朝の光景。だがその時一瞬にして人々が目の前から消えた、そこには向かいのホームにただ一人たたずむ少女を見つける。
この出来事から主人公はもうひとつの世界に足を入れる事になる。
メインヒロイン、和辻綾。
彼女のストーリーは異世界を中心に描かれる。どうしてこの世界に迷い込んだか分からない彼女は日常を守るため一人今までと同じように生活を続けながら元の日常を取り戻すため行動を起こす。
不思議な世界を中心に描かれるストーリーシリアスな物語に加え坦々と語られるため少し退屈感はある。
丸藤泉美。
役所勤めの彼女はある日役所のパソコン内に「パンドラ計画」と言うファイルを見つけた事により現実と非現実を行き来することになる。
この物語的には王道路線の物語を見ることが出来るシナリオ。現実でのたわいのない日常と緊張感のある非現実のバランスが良い。
玉城麻衣子。
日常を描く特に変哲の無い青春ストーリー、ギャグが大目の比較的コミカルな路線。他のキャラや非現実のキャラもちょこっと絡む程度。
と、三様の物語を楽しむ事が出来る。ストーリーはぐいぐい引き込まれる物があるし、グラフィックも秀逸だ。この手の話が好きな人には楽しめるだろう。
しかし、少し残念な所にこの世界はいったいなんだったのか?、そして本当の現実はどうなっているのか?と言う事が分かりづらい。
OVAがでているのでそれを見れば十分補完がとれるが最後の結末がわかりやすいというぐらいで完成度はいまいちだったが。
見せ方としてもう少しハラハラドキドキな展開が欲しかった綾編。
もう少し非現実と絡ませて欲しかった麻衣子編、と個人的に少し残念だった、またエンディングのバリエーションがもう少し欲しかった。