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ken1r0さんのRewriteの長文感想

ユーザー
ken1r0
ゲーム
Rewrite
ブランド
Key
得点
78
参照数
1410

一言コメント

この話をリライトしてもらいたい

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

世界を壮大に展開させておきながら、万人向けの答えがないからと収束させないご都合主義は、個人的には書き換えてもらいたい。
最終的に、主人公は数え切れない程、様々な人生を経験した。どの人生でも天王寺瑚太朗として生きて、Moon編までは、その記憶は完全にリセットされない。この点はかなり重要であり、ロミオらしさがとても出ている。
ヒロイン達にとって共通の学園生活は非日常で、個別シナリオの世界がむしろ日常という過酷な運命を繰り返した。Moon編でこの世界の鍵である篝と一人の一生では体験できない時を、共に過ごすうちに様々な謎が解けていき、自らがすべき事を見つける。人類の可能性を示すため、篝に良い記憶を見せるという目的、なにより惚れた女の望みを叶えたいという欲求をきっかけに、始まることのないはずの世界が再び始まる。地球規模・・・いや、宇宙規模の奇跡から始まったTerra編がこのゲームの救済であろう。
Terraでは、記憶レベルではなく、意識レベルで、ほぼ無意識ではあるが、篝が瑚太朗を頼れたり、小鳥ファミリーのドライブが嫌な予感がしたりなどの小さな奇跡があった。
Terra編で篝に良い記憶を見せるために、瑚太朗の犠牲にしてきた物はあまりにも多く、咲夜と同じ姿になってしまう。しかし、最後はオカ研全ヒロインがあの丘に集まり、人であることを捨てて、魔物になった瑚太朗を目覚めさせて、瑚太朗がみんなを月へ連れて行き、月にひとつの芽が咲きました。という最後に大きな奇跡が起きた。数々の生死や書き換えにより、全ての過酷な運命を消し去り、Rewrite新たな始まりで終わる。
Moon、Terra編がメインなのだから、共通~個別シナリオにかけてのマッピーなどの無駄な尺はいらないと感じた。
プレイ後の考察は、たしかに色々と考えさせられるが、ゲームなのだからプレイ中を楽しませてくれる内容にしてもらいたかった。考察ゲーが悪いとは言わないが、ゲームを楽しんでからの考察でないとゲームとしての意味がないと私は思う。
私的には、朱音・ちはやシナリオは心に響くモノがあったが、トータルでみたら完成度が高いとはいえない。
個性の強い複数ライター起用で、ここまでまとめたのだから、ブランド認識されてるkeyでなければ、また違った評価ができたであろう。