思い出補正。長文は自分語り含む作品感想。
満点にした理由は、これが初エロゲだったからではありません。
今作をプレイする前に三作ほど抜きゲーをやりましたが「ふーん、これがエロゲねぇ」としか思っていませんでした。
大してエロゲに興味を持つことなく、月日は流れていきました。
数年後。
とある日、好みなキャラのエロ情報だけを頼りに、今作に触れることになりました。
久しぶりのエロゲでした。
この作品が非抜きゲーとかいうジャンルなのはどうでもよかった。ただ単純にエロを求めていました。
ところが…
プレイしてる最中、今までプレイしてきたエロゲとは違う不思議な感覚におちいりました。
なんだろう?この居心地のよさ。
ただひたすら心が気持ちいい。
共通√を進めて行くたびに、その世界に、どんどん入っていくのがわかりました。
魔法少女。飲食店経営。春。
この不可解ともいえるキーワードに魅かれる自分がそこにいました。
そして攻略サイトも見ず、色んなキャラの日常を漠然と見ていって、で、マザコンエンドならぬBADENDにたどり着く。
そこで一休憩を入れ、考える。
なんだろう、このゲーム。
大層なエロシーンがあるわけでもないのに、何故面白い?
主人公の独特の言動?
マリーの可愛さ?
ルウリィの猫癒し?
かりんの天然幼馴染効果?
優佳の暴力姉キャラ?
わからない。
故に個別√へ進むことにします。
マリーは正当ヒロインぽいので後回しにして、まず、優佳√をやってみる事に。
素直になれない姉というOPのメッセージそのもで
主人公がシスコンなら優佳はブラコン状態(違うか)なワケで
お互いの距離感が気まずいものになっていきます
これが、「義理なんだから良いじゃん」というお約束を知るには当時の自分には早すぎました
優佳の病的ともいえる主人公へのアプローチ
涙をにじませながら「なんで姉なのよ!」みたいな発言しちゃう始末
その不器用な想いがストライクでした
そして彼女は願う。もし、あの頃にもどれるのなら…
それが魔法で叶っちゃう「ご都合主義」というお約束を、また自分は知る事になります
そして想いが主人公に伝わる瞬間、
私はエロゲというもので初めて涙を流していました。
何故泣いたのかわかりません。
それは自分がマイナーエロゲーマーだったからでしょうか。
でも感動しちゃったんです。
それがとてもうれしかった。
ああ、素直に泣くってこんな素晴らしいことなんだなと、そう改めて思わされました。
優佳√でひと泣きした私は一呼吸入れて次にかりん√へ
簡潔に言うと記憶喪失ものなのですが…
まさにそのシナリオは、
素晴らしい。その一言。
泣きました。
大泣きです。
優佳の比にならない。
この√に関しては文にする必要は無いでしょう。ていうか無理。
高得点を付けてらっしゃる偉大な先輩方のレビューを参考にしてください。
次にルウリィ√。
この√は一言で言えば「動物愛護」でしょう
犬や猫、ペットは大事にしましょう。
という感じの内容。
こんな簡単なシナリオで、またしても泣いてしまう自分。チョロイっすね。
で、ついにマリー√。
この√は他のシナリオと違って、肩の力を抜いて楽しむことができました。
いや、シリアスなシーンは少しありますけど楽しかったですよ。
クラウディアとその弟くんも一番出張ってくる√だし。
流石に涙を流すほど感動はしませんでしたが、楽しい雰囲気のまま終わることが出来ました。
この作品。くすくす×NYAONというエロゲ界では有名らしいコンビで作られたわけですが、
くすくす氏のヒロインキャラはエロシーンがそんなにあるわけでもないのに、どれも皆可愛い。
NYAON氏のシナリオは言わずもがな。
ネットスラング使いすぎだの、主人公がちょっとおかしい等のマイナス点は
エロゲー初心者同然の当時の私にとっては全く気になりませんでした。
後、特筆すべきは「音楽」。
樋口秀樹氏はもはやその界隈では有名人ですからともかく
メインであるBURTON氏作曲のBGMがどれも素晴らしい!
癒しを感じる数々の名曲は、美しい世界の雰囲気、感動的な物語の完成度を高めてくれました。
ゲームで音楽に感動したのは某有名RPG以来です。
さらに良かったのが今やエロゲ界で大御所と呼ばれる豪華声優陣の演技でしょう
井村屋ほのか、桜川未央、風音、一色ヒカル、青葉りんご…
今後お世話になっていく、かけがえの無い方々です。
特にどストライクだったのが、ふーりんこと佐本二厘さんでした。
この方の声は癒される。すごい。一気に大ファンになりました。
おまけボイスも笑わせてもらいました。一色さんお疲れっすw
さくらシュトラッセ。
この作品は私にとって神の天啓とも言えるものになりました。
自分にとってキッカケとなるエロゲーが、虚淵、きのこ、ロミオ、丸戸といった超人ライターの超有名作だったらどうなっていたでしょう。
多分、エロゲーという媒体にすぐ飽きてしまうと思います。
楽しみ方のベクトルが違ってしまう恐れがあるからです。
でもこの作品は違います。
終始、楽しさ明るさ優しさ嬉しさに満ち溢れ、プレイヤーを笑顔にしてくれる。
そして次へと進む後押しをしてくれる。
そんなエロゲーだと思います。
この作品のおかげで、「もっと他のエロゲーをやろう!」という気持ちが生まれました。
本当に感謝し切れません。
ありがとう。ぱれっと。
ありがとう。さくらシュトラッセ。