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kazu28シュトラッセさんの愛姉妹IV 悔しくて気持ち良かったなんて言えないの長文感想

ユーザー
kazu28シュトラッセ
ゲーム
愛姉妹IV 悔しくて気持ち良かったなんて言えない
ブランド
シルキーズ
得点
95
参照数
3183

一言コメント

俺は疲れていた

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想


エロゲとErogameScapeに出会ってからおよそ三年。
次の作品でいよいよ150作品目となるこの頃…私は疲れていました。
以下エロゲエロスケ生活に対するブログでやれ的な過去の自分の振り返り日常をダラダラ書きます。
作品感想はこの長文の終盤で触れるんで、余程の暇人か奇人でなければこの長文は読まなくていいです。

自分まじこいAプレイ後こう宣言しました。
「しばらくはシリアスな作品に挑戦していきます」と。
それから約二ヶ月…色々やってみましたが、もうなんというか、ただ疲労が蓄積されただけっつーか、ぶっちゃけ、
「もう、エロゲーやめようかな…」と思ってました。
pov「鬱ゲー」上位作品など暗めなエロゲを一気に続けてやったんですが、高得点、高中央値なものほど落胆が大きく。裏切られました。
なんで合わないんだろうなあ…
と深く考えるまでもなく、映画に例えるなら、自分は暗い映画は嫌いだし、終始明るい映画ハッピーエンドな映画は大好きです。
(特例として戦争映画は好きですが)
それでも苦手ジャンルに挑戦したのは単純に、「評価値が平均して高い」からで。
でもそれで、もしらばでやらかしましたからね。
期待してたリトバスexでも、自分の期待に応えられず、結局ギブアップ基本点止まり。
もしかしてエロスケの使い方間違ってる?エロスケに期待しすぎ?点数操作?工作員?疑惑疑念はつのるばかり。
「多少のシリアスくらいに目くじらたてる君はエロゲ向いてないよ」
某掲示板で指摘された事です。たしかに自分は鬱展開とかシリアスに過敏です。
リアル。オタっぽく言うと三次元世界は辛く嫌な事ばかりです。
なのに二次元…まあアニメやゲームでもわざわざ同じ嫌な雰囲気に浸りたいのかというと断じてNOといえます。
シリアスなんて現実でもう充分なので、
余程面白く読ませるシナリオでなければシリアスエロゲなんて手は出しません。それがモットーなんで。
でも他作品のレビューでも言及しましたが、萌えゲーと宣伝してるエロゲにも謎の胸糞展開&キャラがたまにあったりして、
萌えな作品すべてが癒しになるとはいえないこの界隈。ほんと嫌になってくる…
まあ総して何が言いたいのかというと、こんな憂鬱な気分になるくらいなら「もう、エロゲーやめようかな…」と考えてたわけです。
今作愛姉妹Ⅳに会うまでは。

愛姉妹Ⅳに触れるきっかけになったのはこれまた某掲示板の「希望通りのエロゲが見つかるスレ」で。
このスレになんとなく「笑えるエロゲありますか」とレスしたものの、数日間はスルーされ、もう返レス来ないかなと思っていました。
するとレスしてから五日後ぐらいだったですかね、ようやくひとつレスが返って来たのを偶然発見。で、見てみると、
「愛姉妹Ⅳ」
とこれだけの一文。
なぜに1でも2でも3でもなく4Ⅳなんだ?と不思議に思いつつエロスケで早速チェック。
シルキーズという抜きゲーブランドのシリーズ作であり、今作がブランド最終作といういわく付きなエロゲ。
1~3はお世辞にも良作とはいえないようで、ぐだぐだ作り続けていた雰囲気。
しかし今作だけ異様に高評価のレビューが多く、そのユーザーの方々ほとんどが「抜けて笑える」との感想。
原画は「媚肉の香り」(やったことないけど知ってる程度)で有名な市川小紗氏。ゆえに「絵は」期待できると思いました。
しかし「笑える」とはどういうことなのか、主人公が特殊な人間であり、独特な世界観の作品なのはレビューでなんとなく分かりましたが、
ライターは知らん人だし、そこんとこどうなのか判断に迷いました。
しかしシリアス作品ばかりやってきた私はもう疲れてて、「抜けるんならいいや、シナリオはどうせおまけでしょ…」
と思い、やってみることを決意。

期待と不安入り混じる中のプレイ感想
いままでのエロゲは中性的、いわゆるイケメン系な主人公だったのですが、今作はキモ面でデブで無職という役満ステータス主人公。
序盤の彼の行動はまさにクズの極み。人妻を脅してレイプ。そしてその娘姉妹にも脅迫して処女を奪う。まさに外道。
しかしこの時点で少し違和感。やったことは最低だが、その行為前中後の主人公は何故か優しい。アレ?陵辱なの?これ…と。
人妻江利子は「こんなおばさんのどこがいいのよ」と自傷気味。
しかし主人公は「エロいフェロモン出しまくりの貴女がイイんですって!」と何故かフォロー力説。なんじゃこいつ。
姉妹の一人愛美は「処女失ったからって何?別に大した事じゃないっしょ」とレイプされたのにこの態度。肝がすわり過ぎである。
で、主人公が「お前アホなんじゃないか?僕に脅されてるんだぞ…」というたびに愛美にパンチ喰らう。馬鹿である。笑える。
姉妹もう片方清美は、主人公との合意(?)レイプ後、大泣き。
陵辱ゲーならさらに攻め立てる場面なのだが、主人公は必死にあやして介抱するという謎展開。
曰く「セックスはお互い楽しいほうがいいのさふふ~ん。相手が悲しむ行為は逆に萎えるから絶対やらないのさふふ~ん」という自己理論。
すげーよこの主人公。愛美が「非常識人なのか常識人なのかわからない」と発言する気持ちがよくわかります。
そもそも、このキモデブ主人公。キモイのは顔と要求するセックス内容のみで、その他の部分は基本良い人間である。
僕は無職クズだとポジティブに開き直ってるし、それを生かして江利子の旦那さんとも親身になって付き合えるという聖人ぷり。
そして最終的には、インポで悩む旦那さんを「僕とセックスする妻を見れば直る」というトンデモ理論で解決するという超展開。
このシーンは笑った笑った。直前の修羅場家族会議も、姉妹による旦那の性癖暴露いじめ大会が開催され、大いに笑いました。
他キャラも良かったです。擬似○リ奈々子もエロ可愛いし。主人公を何故かご主人様と慕う残念美女先生順子も面白かった。
この二人も、日常シーンやHシーンで笑わせにくる。いやはやまいったまいった。

エロに関しては使い回しがひどいですが、神テキストがそれをカバーしてるので、このライターさんすげえ…と思いました。
それに使い回し絵とはいえ、どのCGもとてもエロい。ボテ腹に力いれてるのもイイですね。
愛美の「おっけ」と言いながらノリノリHするシーンの数々は癖になります。「いっくううううう」もしつこいけど好きですよ。
あと主人公による匂い解説も生々しく、やけに詳細に説明するので、
「二次元でも臭うんだぞ」というライターさんの意地みたいなものが見受けられて、又々笑ってしまいました。

なんかエロゲやめようかなとか思ってた自分が馬鹿馬鹿しくなって。
やっぱエロゲって楽しいのがいいよね。と、改めて思ったり。
暗いシリアスエロゲなんて無理にやるもんじゃないな、立て続けにプレイするもんじゃないなと、
明るいエロゲ、例え中身がスッカラカンな萌えゲーでも、それを楽しむのが本分だと、
それが自分kazu28シュトラッセというスタイル、いちエロゲユーザーの境地なんだなと、理解できました。
そういう事を再確認できたという意味でも、今作愛姉妹Ⅳはとても有り難い存在でした。
ありがとう。やっぱエロゲは最高だぜ。