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kaza-hanaさんのこの世の果てで恋を唄う少女YU-NOの長文感想

ユーザー
kaza-hana
ゲーム
この世の果てで恋を唄う少女YU-NO
ブランド
MAGES.(5pb.)
得点
85
参照数
6855

一言コメント

当時絶賛されたであろうことが容易に想像できるYU-NOのゲーム性だが、現代の確立されたエロゲスタイルに馴染んだユーザーにとってそれは必ずしもプラスとはならない。システムの難解さはシナリオに起因していて、それがゲームの奥行きを深めてはいる。しかし、多くのゲームをプレイしてきた今のユーザーはシナリオに免疫ができており、すんなりと状況を理解してしまうので下手に複雑な仕様はマイナスな面も浮き出やすい。難解さが楽しみとなるタイプの作品であれば問題ないが、シナリオがメインであるYU-NOでこのゲーム性が評価されたのは当時ならではなのではないかと思う。当時とは違い、作品や娯楽が増えたことでユーザーが時間にシビアになった時代変化もマイナスに繋がる要因として考えられる。シナリオ自体は面白く間違いなく名作だが、神ゲーと称える当時のユーザーのように楽しめた自信はない。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

歴史とは…
過去から現代へ至る変化の記録か? 否
人間社会が経てきた変遷と流動の姿であり、その記録

では過去から現代へと至る道が、唯一無二の、一つの道では無いとしたら?

歴史とは…
人類変遷の記録か? 否
それは単に、ある時刻に起きた事象の記録に過ぎない。
時の流れとは不可逆なものとして存在するのではなく、可逆な概念である

では歴史を繰り返すことが、可能ということなのか…?
そうではない
歴史は不可逆な概念 その差は微塵にして多大である

歴史は繰り返さぬ…だが時の流れは可逆である

歴史とは?
事象の流れそのもの
事象は、因果律の法則にすべて呪縛されている
時間すら、この法則に逆らうことはかなわない

これに逆らうことがかなう者 ⇒ 神
事象を遡った先(この世の果て)にあるもの ⇒ 神のみぞ知る

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO