死にく地球(ほし)で紡がれる最後の恋物語。2人だけのeden。
やはりこの頃のminoriは素晴らしいですね
高い映像技術とそれを活かした演出、シナリオ
自らが持つ強みを最大限に作品に与えられていると思います
作品自体は短くコンパクトな仕上がりですが、恋物語という所に焦点をおいて作られたと考えれば納得の出来です
前半の703研究所に所属するところからシオンと共に最後の地へ逃走するところまではストーリーが駆け足な気もしましたがその後は非常に丁寧に結末まで描かれていると感じました
キャラクターも世界観も魅力的で、そこにminoriの映像技術が入るとこんなにも深い世界が作りだせるんだなぁと本当に感心します
どんどん弱っていき、眠りを繰り返すシオン 終わりの時は確実に近づいている
そんな中、榛名亮は今はいないエリカ、稲葉少佐、そいてナツメの夢を見る
亮にとって人生の先輩であり自分を導いてくれた人達
ナツメ「短い夢は終わり、長い現実がまた始まるのよ」
エリカ「リョウ君がこちらへ来るのはまだ少し先のこと。いいえ、ずっと来てほしくない」
「うん、そうですね。来ちゃダメです。リョウ君は生きるんです」
稲葉「あきらめない、後悔しない、自分がしたいことをする」
「亮にはそうゆう生き方が似合うな」
その日シオンは眠りにつく 深い永遠の眠りに
見計らったようなタイミングですね
地球にまさに1人残される直前に出てきてみんな優しいようで厳しい先輩方だ
シオンの最後のシーンの演出 カットインの連続は本当に綺麗で儚さを際立て
地球最後の恋物語の結末、そしてシオンの最後にふさわしいものでした
その後にシオンを土に埋めるシーン
ここもテキストと演出が本当に丁寧で痛いほど気持ちが伝わってきました
約束だからな…といって感情を押し込め、震える手でシオンを埋め終え、ついに1人きりになった亮のセリフは
「シオン、俺はもう少しだけ生きてみるよ」
いや、ほんとに強いなぁ
プレイを終えて
この短さにこれだけの物語を集約して密度のある作品に仕上げたのは素晴らしいとしか言えない
すごく楽しめました
人類が見放した死ぬゆく地球(ほし)であっても、消えゆくその日までそこは2人の楽園であり続ける
地球(ほし)が最後にedenとして終焉を迎えるというのも美しい話ですね
おやすみ、シオン――