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katsu_mtさんのナマイキデレーションの長文感想

ユーザー
katsu_mt
ゲーム
ナマイキデレーション
ブランド
まどそふと
得点
70
参照数
1026

一言コメント

公式にて作品コンセプトを明言されており、ナマイキ→デレの流れに注目することかと思います。 ですが、率直に申し上げてこの点に関してはこの作品の特徴と言うには弱いと感じました。 そもそも、ムカつかないナマイキ娘ってなんじゃろうと改めて疑問に持った次第で。ナマイキだからこそ落としてみたい、そんなツンデレに似た達成感は得ることができませんでしたね。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

シナリオ

文化祭の実行委員を押し付けられてしまい、仕方なくメンバーを集めて、一緒に活動していくうちにカップルが誕生して…とファンタジーも何もない展開で進むいわゆる普通の学園ゲーです。

公式のコンセプト紹介にてナマイキとの単語を多用する割に昨今ではオーソドックスなキャラクター、甘えてくる幼なじみ・隠れ兄スキーな妹・ツッコミの激しい後輩・飛び級の天才児と、最初の印象は『ナマイキ』との強めの響きを感じることはありませんでした。
そもそもが『ナマイキ』との印象を付けたいのならば、初対面時が勝負だったのでは。何というか、どうやって主人公を下に見せるかをもってヒロインにナマイキな態度を取らせるか、ユーザーには『こいつナマイキだな』と思わせるきっかけがありませんでしたね。

コンセプト意外にも気になったことがあります。
それは分岐の選択肢が唐突だったこと。
ある意味で、二次元のキャラクター付けということをあらかじめ理解していないと攻略キャラを選べないというか。このキャラクターがこんな属性でこんな萌えポイントを持つという、一種の記号的な特徴を捉えきれないといけないので本当の意味では初心者向けでないかも。
もっとヒロイン選択の前に、こう、一発で惚れてしまうインパクトが欲しかった。特にキャラゲーではそういった要素が大事なので、弱かったかなと。

進めてみても話の展開で特にグッとくる場面もなく、ただ漠然とキャラはかわいいと思うばかりでした。
先にレビューを上げているomochi氏から引用させていただきますが…

> バラバラの話をただ並べただけのシナリオからはいくら後半イチャイチャしてくれようにも整合性が薄く、入り込むことがとても難しい。

そうなんですよね、どこかちぐはぐでヒロインのエピソードが直接そのヒロインの可愛さに繋がっていないというか。キャラゲーでは致命的ではないでしょうか。

オーソドックスな話に『ナマイキ』というスパイスを加えてこそのナマイキデレーションだと思うのですが、どうしても引っ掛かりを覚えてしまいましたね。


エロ

乳輪がデカいエロ寄りのキャラデザなだけに、シーンの実用度が跳ね上がります。
声優さんも凌辱モノまで広く出演している方々なので視覚・聴覚的なエロさは素晴らしい。
ですが、前述の漠然としたキャラの可愛さがあるだけなのでどこか物足りない。本当の意味でキャラを好きになれていないの自分がいる。キャラゲーでのエロさは感情移入度次第でどうとでもなりませんか?短いエロテキストも愛でカバーできるんですよ、逆もまた然りとの持論展開。

何というかシーン集的な使い方は出来るけれども、このキャラだからって気分にはなれませんでした。


音楽

OPの 「だって夏でしょ?しょ!」はミスマッチ。
何よりこの作品でウリになるはずのナマ→デレが全く感じられない。
そして、話の軸が文化祭なので始終遊びっぱなしというわけにもいかずに夏らしいイベントは海程度、季節を謳うにも分岐後もそれ関係のイベントが少なくなんか違うんですよね。




CGに関してはエロかわ路線で十分戦えるでしょう。
御敷仁氏に近いけれど、また違った濃いエロ絵なので絵買いには向いています。
特典絵柄も魅力的なものが多かったですし。


総評

感想を並べてみると、自分でも思いのほかマイナス点が浮かんできました。
私も絵で買ったところがあるので満足がなかったわけではありません、みさきルートなんかも実妹と義妹で二転三転する話でやきもきしました、やってる最中はそこそこ楽しんだとは思うのですが。しかし、もったいなさを感じてしまうんですよね。余計に悔しい。




ひとつネタバレでの感想

渚への告白シーン、あれはさすがに小学生レベルのネタじゃないかと。
変にいじらなくてNAGISA LOVEじゃダメなんですかね、しまらないわーシラけましたわ。