公式が掲げるコンセプト通り…なのですが、共通で目的を達成しすぎて個別が息切れ気味。共通がかなり面白いだけにもったいない。
ラブ+アグレッシブな乙女たちが好意を全開で突撃してくる共通はすごく楽しい。
会話のテンポが良く、ヒロインそれぞれが味を出していて、この作品の良さは序盤ですぐに掴めるかと思う。
ドタバタを盛り上げる演出も良好で、見ていてそして読んでいて気分が良くなります。
そう、共通はすごく楽しいんですよ。
問題は個別で、分岐した後は勢いはどこへやらといった具合に大人しくなりました。
それもそのはずで、途端に主人公とヒロイン一対一になり他の人物は自然にフェードアウト。あとはイチャイチャするだけで山場もないので一気にテンションが下がりました。
肉食系女子に迫られるというのがそもそものこの作品のコンセプトですから、カップル成立時点でその目的が達成されているんですよね。それからをあまり想定していない作りな気がして個別がおまけにすら思えました。
以下システムを交えてちょっと話を。
・ラヴジャッジメント
要は時間制限付きの選択肢。名の通り審判を下すというか、フラグをへし折るためのものでした。
焦らして反応を楽しむのも確かにアリなんですけどね…。
ちなみにセーブ不可。
・ツブヤッキー
ヒロインのみが登場するツイッターみたいなもの(そのまんまかw)
その場にヒロインがいなくてもワイワイやってるのが見られるので、一人の時でもちょくちょく覗きました。
が、問題点が二つほど。一つはスピードが速いので更新毎に追うとその都度クリックを止める羽目になる、せっかくのテンポを崩す羽目になりかねない。二つ目はカップル成立時点で存在そのものがなかったことになる、ここで二人だけの世界にするよりは恨み節たっぷりの妬みツイートなんかも見てみたかったなと。
ストロベリーノーツのPITと比較されてしまいますが、あちらは客観的な茶々入れと雑談でフリーダム。このツブヤッキーはヒロインのみでどうしても話題が狭い。サブキャラくらいは加わって欲しかったです。
・パートアニメーション
一番インパクトがあるのがサブキャラのみみちゃん先生という仕様。
次いで加賀、メインヒロインにはあまり関係のない機能かも。
総評
とにかく共通と個別の温度差が気になるところ。ノリはすごく良い作品なので最後まで勢いを保って欲しかったところですが。
個別でも振られたヒロインががっついてきても良いと思いましたね。公式が掲げた作品コンセプトを無難に手堅く外さずにきた感じ。“恋愛を阻害するような余計な要素は一切ありません”阻害という言葉とは別に、困難を二人で乗り越える山場があれば。進路や夢については、もっと悩んでくれた方がせっかくの学園モノとしての青春や団結も見られるんじゃないかって。
おまけで追加されたみみちゃん先生ルートは、短いながらも濃いキャラクターが詰まっているのでお気に入りです。
私としてはかなり好きな作品なのですが、それだけに惜しいところが目に付きました。
とはいえ次回作に期待できる部分も確かにあるので、おそらくはいくんじゃないかと。