E-moteを用いた、前半のキャラゲーとしての世界は心地良い。けれども、トゥルーは納得がいかなかった。
まず目を引くのは、やはりぬるぬる動くE-moteを使った演出。たゆんたゆん!するたびに視点がそこに集中するのはご愛嬌w
小説ではなくエロゲでありますから、視覚的表現の進化を確かに感じられるのは嬉しい限り。今作はこのチャレンジ精神に投資したと思っても損にならなないです。
戦闘を挟む作品であることや、風城という街の性質上、明るく賑やかなパレードを行われる点にも非常にマッチする表現ですね。
いやぁ素晴らしいです。
ただ、このE-moteは私としてはなんつーか一枚絵を用いるADVと同居するのは非常に難しい。
常に動作を行う流れからの間を取れる利点は確かにある、行間すらある程度このシステムでコントロール出来ますから。けれども、おかげで逆に不意打ちの動作があまりなくて脳内保管の面白みはちょっと薄いか。
私がアニメよりもこのエロゲを好む理由の一つがこの脳内保管を余儀無くされるところにあるので、1から100の表現は求めていない。かと言ってないのも寂しいという自分でも大変わがままなバランスではありますがw
…とまぁごちゃごちゃぬかしましたがともかくE-moteすげー!ってなるのは確か。体験版だけでもプレイしする価値があります。
さてシナリオ。
風城という街の性質上、世界観はこの城壁から外に拡がらず、行動場所もそう目まぐるしく移るわけではない。学園モノとしての側面もあるので、舞台はほぼ固定される。
だがその分、カンパネラあたりと比較すると登場人物同士の繋がりがより濃いように思える。
良いですね、この感じすごく。
キャラ別に(私の攻略順で)
莉々子
見世物としての表の風城が舞台。
憧れたそのものになる、主人公のひたむきな泥臭さが清々しいですね。熱血ルートです。
風王結界じゃないですかー。
涼乃
風城の本質が明かされ、一気に核心へ近づく。
「あなたは、なんですか」
あやりの正体と、その解決に東奔西走するので案外イチャイチャする期間は短め。そんな中でも存分にクール→デレを堪能出来たので言うことないです。
けれども、風城という舞台についてあまりにネタバレが多すぎてちょっと攻略順ミスったかなーとか。
水澄・えくれあ
この2人はほぼセット、中心にえくれあがいる。他のルートに比べて平和でした、水澄さんが天使で頬が緩みますね。
4つ目のシーンの語りが印象深いです。
「自分のだいすきな人に、気持ちよくなってもらったり、喜んでもらったり」
「そうすることでわたしもくつろげるし、気持ちいいし、それが一番の癒しになっているの」
この言葉に水澄さんっていうキャラが集約されているなと。
えくれあは藤咲ウサさんのしゃべりであーとかうーとかけだるそうなのがたまりません。
あやり
TRUEがあり、さすがはメインヒロインな扱いでした。
このウィッチズガーデンという物語は、間違いなくあやりという少女のためのものだった。
けれども、どうしてもラストについては納得できない。
悠子さんは「君なら、できるよ。きっとね。」とは言ったが、それは同時に二人に背負わせてしまうこと。TRUEエンド後に主人公とあやりが背負ったものはあまりにも重すぎるのではなかろうかと。
このラストをどうにかするためにFDが出そうだし救いは欲しいが、それにしても釈然としない終わり方でした。
エロに関しては、イキまくりだしCGの構図が私好みだったので純愛ものとしてはかなりのものでした。
涼乃が陥没乳首で一層惚れました(笑)
OPのデュエットは飛蘭さんの声が、なんというか鋭すぎてカンパネラの方が良かったかなと。
総評
何は無くともE-mote、これに尽きます。新たな表現の形として、またしばらくはういんどみるから目が離せなくなりそう。
一方でシナリオは、気分が軽くなる本来の楽しさを持つある意味でのういんどみるらしい個別と、あやりトゥルーの重さの落差で戸惑いを隠せない。魅力的なキャラクターが多いことや、今までの本編+FDという展開からしてまたしばらくは生殺しが続くのかなと。
まぁしかしメインだけでなくサブに渡るまで、本当にキャラクターが良いのでプレイして良かった。
メインでは涼乃・莉々子さん、サブでは悟朗・蒔絵様・悠子さんがツボでした。
前述の通りトゥルーが私には難点ですが、キャラクターを楽しむためにまた個別ルートをプレイしたいです。