ErogameScape -エロゲー批評空間-

katoriさんのるいは智を呼ぶファンディスク -明日のむこうに視える風-の長文感想

ユーザー
katori
ゲーム
るいは智を呼ぶファンディスク -明日のむこうに視える風-
ブランド
暁WORKS
得点
90
参照数
4558

一言コメント

ファンディスクでありながら、その内容から得られるメッセージ性は本編より強い。 その強さに本編の方がファンディスクと言わしめかねない程である。 出した答えは何て事はない、ありきたりなメッセージ。どうにもならないのに投げ出さない。それは答を探す行為ではなく、わかりきった結末へと辿り着くための愚かな前進。 

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

学校のクラスで椅子取りゲームをした事があるだろうか?
生徒は35人、椅子の数は34。
合図を皮切りに子供達は椅子を取り合う。


一人は弾き出される。
ゲームは繰り返される。
34から33へ,32へ,31へ・・・・・・
最後の一人が決まるまで続く。


――この世界にはどれだけの椅子が用意されているのだろう?――


椅子を勝ち取れなかったものは勝ち取った者を羨み、妬み、憎む。
椅子を勝ち取った者でさえ、“もっと良い椅子”に座った者を羨み、妬み、憎む。
同時に椅子を勝ち取った者はこうも思うのだ。
“勝ち取れなかった者に比べれば自分はマシだ”と。
・・・ならば当然、勝ち取れなかった者はこう思うはずだ。


――あの椅子さえ手に入れれば私は幸福になれると――











あらゆる事象に理由を付けたがるのは人の性質である。
ある種、これも呪いといえるのかもしれない。
食料を奪い合うのは食料が足りないから。
お金を奪うのはお金が足りないから。
愛情に飢えているのは愛された事が無いから。


だったら、真っ当な理由ならば奪われても納得できるだろうか?
例えばお金持ちから金を奪われるのは我慢ならないが、
貧乏人から奪われるのなら我慢できるか?


――きっと、できないだろう……少なくとも私は。


世界には絶対的に足りていない。あらゆるモノが。
だから奪い、憎み、騙し、傷つけ、裏切られる。
だからこの世界は呪われている。
そんな世界であなたはどうしますか?
絶望して自殺を選んだ人も少なからずいます。
それを選んでいない人達はどうして今も生きていられますか?








     どうにもならないのに投げ出せない。

     それは答を探す行為ではなく、
     わかりきった結末へと辿り着くための愚かな前進。








その一つの答えをこの作品は掲示してくれた。
おそらくただそれだけの語なのだと思う。


※この先は『るいは智を呼ぶ』および『るいは智を呼ぶFD』の
 致命的なネタバレを含みます。
 本編未プレイの方は作品クリア後に読まれることをお勧めします。
 また、構成上の都合で、感想というよりも二次創作に近い形での
 表現をさせて頂いてる旨を先に伝えておきます。





















■るいは智を呼ぶ・感想


智の性質の再確認。
社交性あり、容姿端麗、成績優秀。
おおよそ人間関係において敵を作らない見本のような生き方。


“智は極めて現実的な思考が出来る人間である”


それは正体がばれたら死活問題だという境遇から身に付けてきたからであり、
おそらく、智は一人で生きていくなら正体を隠さなければならないという不都合以外は、
何も問題なく生きていける人間だった。
そんな智が自ら人間関係にヒビを入れにいく事は異常である。
智は基本的に、行動を起こす前に考える。
いじめにあっていたクラスメイトを助けようとした時、躊躇した。
相手の矛先が自分に向けられるリスクを考えた。
だが、矛先が宮和に向きかけた時、智は先に行動を起こしていた。




   「赤色さん。
    君、一つだけ大きな間違いをしたかも」

   「真っ当に僕だけ狙ってくれば、
    手段だって選ぶのに」

    ―――――君は、僕の友達に手を出した。


     (第1章『箱庭のいばら』より)




宮和との出会い。るい達との出会い。
彼女達との出会いによって、智は孤独ではなくなった。
同時に持ってしまったのだ。
失いたくないもの。
奪われたくないもの。
そんな“宝物”を奪いにくる者がいる。
なんとか退けたい。
でも弱みを握られている。
徹底的な弱みを。
皆に協力を求めればなんとか出来る。
でもそれは皆に人 しの責を共有させる事になる。
そんな事は出来ない、それは最後の手段だ。
ならば―――







計画は上手くいった。機会にも恵まれた。
冷静に作戦を遂行しつつ、思う。
どうしてこんな奴がいるのだろう――
どうしてこんな事をして平気で嗤っていられるのだろう――
何もかもがおぞましい。
だから問わずにはいられない――






    「どうして?」

    「どうして?」

    「どうして?」

    「どうして、他人を傷つけて平気なの?」

     問わずにはいられない

    「とうして、他人を踏みにじって嗤えるの?」

    「どうして、ほんの少しでも、
     相手のことを思い遣ってやれないの?」

    「自分の下らない欲の為に」

    「そんなことの為に」

    「必死で生きてる人たちを踏みにじれるの!?」

    「どうして! どうしてッ!!!」

    「どうして、どうして、どうして・・・・・・! どうして!
     どうして! どうして! どうしてッ! どうして!
     どうして! どうしてどうしてどうしてッッ!1!」

     ―――――ああ、そうか。

     唐突に、理解できた。
     目の前がいきなり開けた気分になる。

    「そうなんだ。
     僕が、自分で言ったことじゃないか・・・・・・」

     三宅は、怪物―――――
     卑小な欲を充たす為だけに、
     他人の不幸など意に介さない、許されざるケダモノ。

    「人間を貪り喰らうものが、
     人間なんかである筈がない」

    「―――――人間じゃないなら、」

    「―――――『 し』たって構わない―――――」



    (第3章 『ハッピーバースデイ』より 和久津智 )






自分を邪魔するもの。
自分を不快にさせるもの。
自分を傷つけるもの。
自分の大切なものを奪うもの。
そんなものは、目の前を五月蝿く廻る虫けらと同じじゃないか、と。
明確な悪意があるだけ虫けらよりも性質が悪い。
この世界は本当に自分の理解の及ばない悪が蔓延っている。
他人の領土を侵して置きながら被害者面するものたち。
嘘で罪を擦り付けておきながら心の底からそれが本当だったかのように振舞うもの。
友人だったものから平気で金を騙しとるもの。
そんなやつらに被害にあった人達を見る度、
そんなやつらに被害を遭わされた自分を振り返る度、思う。



“こんなやつら消えてなくなってしまえばいいのに”って。



殺意の本質がきっとそこにある。
私達はストレスの原因を消去してしまいたいんだ。
目の前を飛び回る蚊をはたくように。


――けれど、本当は殺したくはなかった。
消してしまった虫けらも自分と同じ生命だって理解しているから。
だから自分に関わってほしくなかった。
ずっと、自分と関係のない場所で勝手にやっててくれてほしかった。






    「勝たなくちゃ、色んなモノに。躓いてらんない。
     意地とか、責任とか、誰の事だとか。
     そんなことには躓いてらんない。
     どうしてって? 負けちゃったら終わりだから」


     (『るいは智を呼ぶ』より 和久津智 )






・・・だから、泣いた。
自分が今まで積み重ねてきたもの。
性別を偽り、着たくもない服を着て、使いたくもない言葉を使い、
そうしなければ生きていけなかった。
理不尽に自分に降りかかった呪いだって、
なんとか折り合いを付けてやってきたのに、
そんな、文字通り生命を掛けてまで守ってきた平穏な日々を――
生命を奪い続けてでも得たかった人がいるのに――


そんな尊い日々を・・・
そんな事をしなくても普通に得られる者達が奪っていく。


もう二度と取り戻す事ができない事をわかってしまったから。
自分の理想の世界が無いということがわかったから。
だから泣いた。






    僕らはみんな、呪われている。
    みんな僕らに、呪われている。

    「生きるって呪いみたいなものだよね」

    「報われない、救われない、叶わない、望まない、助けられない、
     助け合わない、わかりあえない、嬉しくない、悲しくない、本当がない、
     明日の事なんてわからない……」

    「それって、まったくの呪い。100パーセントの純粋培養、
     これっぽっちの嘘もなく、最初から最後まで逃げ道のない、
     ないない尽くしの呪いだよ」

    「そうは思わない?」

     これは呪いの話だ。
     呪うこと。
     呪いのこと。
     呪われること。
     人を呪わば穴二つのこと。
     いつでもある。
     どこにでもある。
     

     (『るいは智を呼ぶ』より)










     「僕らはみんな、たった一人だ。
      ならば、自分の世界が全て。
      そう考えることが間違っているかい?」

     「――――あの三宅みたいに」

     「そう、あの呪わしい男のように」

     「閉じた世界を全てとして、
      他の世界のことなんて、どうでもいいと降る舞う――――
      正しき怪物だち」

     「ヤツらは間違ってはいない。
      信念も、信仰も、理性も、法律も、正邪も、善悪も、
      どれも正解はない。全ては道具だ。それなら――――」

     「――――僕の中にも、やっぱりそれは隠れてたよ」

      小さな世界に閉じる<呪い>の徴――
      三宅は何処にでもいる。



     (終章『美しいもの』より 和久津智 & 才野原恵 )








――どこにでもある。
智が泣いた理由、どこにでもある事。
自分が積み上げたもの。
自分が大切にしてきたもの。
それを理不尽に奪われる怒り。
それを自分で壊さなきゃ、諦めなくちゃいけなくなった悲しみ。
なりたかった自分が、遠ざかっていくこと。
“理想”と“現実”の差異に苦しむこと。



人間って本当に凄い生物だと思う。
こんな事に何年も、何十年も耐えて堪えて抑え込んで……
抑え切れなくなって泣き叫ぶのはほんの一瞬だけなんて……
それなのにずっと生き続けている。
どうして――?





    「でも、そんなものに負けたくない」

    「信じれば世界は変わる。
     僕らの回りには、信じてしまえば
     楽になれるものが沢山ある」

     僕らは臆病だ。

     見えないものに怯え、わからないものを恐れて立ち竦む。

     でも、踏み出すことだってできる。

     たった一つだけ、忘れなければいい。

     この先には、きっと素敵なことが待っているはずだって。

     ―――明日を信じる心。

     それさえあれば、
     向かう先がどんなに遠い場所でも歩いていける。

     それはきっと今、恵の傍で僕が感じている「これ」と
     とてもよく似た―――

     熱いような、切ないような、苦いような。
     大切な、想い。

     けれど。

    「何もかもが表と裏だ。
     信じてしまうことが、本当に大事な事から、本当の
     苦しみから、間違いから、目を逸らす理由にだってなる」

    「仕方のないことが、認めてもいい理由にはならない。
     過ちのあったことが、過ち続けてもいい理由にはならない」

    「僕はそんなものには負けたくない。
     どうしようもなくても、僕は諦めたりしない」

    「呪われた世界なんて、やっつけてやる」





    『人の希望は消えない。だから僕らは絶望する』

       『人の希望は消えない。だから僕らは生きていける』





    「それがキミの答なんだね」



    (終章『美しいもの』より 和久津智 & 才野原恵 )








何も特別な事じゃない。
本当に絶望だけだったならとっくに命を絶っているはずだ。
だけど私達は生きている。
何か楽しいことが、嬉しいことがある事を信じているから。
だから今日も生きている。












    「人はどれだけでも酷いことができるのよ」

    「智は、まだ知らないでしょう。私は知っているわ」

    「人は、同じひとからどれだけだって奪うことが出来る。
     尊厳も命も何もかも、本当に塵芥のように扱える。
     路傍の石のように踏みにじることができる」

    「そう、私は知っているのよ」

    「悪意。悪意。尽きることのない悪意。無限の悪意。
     それが人。それこそが人」

    「あなたがまだ知らない、
     想像もつかない酷いことさえできる―――
     それが人と呼ばれるものの正体」

    「外へ出て、この先へ進めば、
     あなたはそれを知るでしょう」

    「あなたは多くの悪意に出会う」

    「少しだけ秀でているから、少しだけ劣っているから、
     少し自分より豊かだから、少し自分より貧しいから。
     ほんの少しだけ違うから」

    「理由なんて、本当はなくていい。
     あなたが、ただそこにいるというだけで、
     悪意を向けてくるひとが沢山現れる」

    「その度に、あなたは傷を負う」

    「妬まれ、嫉まれ、恨まれ、憎まれ、蔑まれ、奪われ、
     傷つけられ、偽られ、侮られ、騙され、裏切られる」

    「そう、裏切られる。
     きっと幾度も幾度も」

    「大切なものを傷つけられる。
     二度と手に入らないものを奪われる。
     取り返しのつかないほど踏みにじられる」

    「それを視たの、姉さん?」

    「いいえ。
     この先は、私もまだ知らない世界。
     だって、智。あなたを遮っていたものは、もう」

    「取ってしまったから」

    「でもね、智」

    「<視>なくても、わかる。
     わたしは知っているんだから。
     人が絶望そのものであることを」

    「智……あなたは優しいから……
     きっと沢山傷つけられる」

    「正しさには偽りを返される。優しくすれば奪われる。
     手を差し伸べれば、侮蔑され、憎まれてしまう」

    「数え切れない悪意。無関心。孤独と悲惨。絶望と諦観。
     そんなところへ、智を行かせたくないわ」




    『それでも、僕は行きたいんだ。

          幸せも、そこにしかないから』




    「やっぱり裏表なんだ」

     <呪い>と<力>が一つであるように。
     愛と憎しみが双子であるように。
     痛みと幸せも、きっと切り離せない。

    「だから、僕らは外へ行きます」


    (終章『愛について』より 和久津智 & 真耶 )







痛みだけじゃない。
苦しみだけじゃない。
その先にあるものを知っている。信じている。

騙された人がまた人を騙すように――
裏切られた人が他の人を裏切るように――
だけど、私達は知っている。
騙されたからこそ自分は騙さないと決める人を。
裏切られたからこそ自分は裏切らないでいようと。
信頼を踏みにじられたからこそ自分は信じさせられる人でいようと。
悪意だけじゃない。
裏切りだけじゃない。
裏切られた悲しみをしってるから、
信じること、信じられる事の喜びを知っている。
孤独だったからこそ、仲間の心地よさを知っている。
自分は一人じゃなかったと今は信じられる。





     傷つく意味も 必ずあるから
     その涙は 明日への道


     裏切りさえ 恋しくなるよ
     会いたいなんて もう言わないよ


     (るいは智を呼ぶOPテーマ『絆』)







    「僕が僕である為に、みんなが必要だから。
     僕らはみんな、僕ら以外のもので出来てるんだよ」

    「だから……
     僕でいたいから、僕であり続けたいから、
     外へ帰りたいんだ」


     (終章『美しいもの』より 和久津智 )










    「智とみんなは証明してくれたのだから。
     呪われた世界にも、それでも価値ある愚かで美しいものが、
     本当に実在するのだと」


     (終章『美しいもの』より 才野原 恵 )









     あぁ。
     はじめて出会った。

     あの痣と。
     
     あれは……。

     聖徴といい、烙印という。

    「……僕たち、同じ……」

     同じ徴を持っている。
     ようやく出会えた、孤独ではなくなる、
     一緒にいてくれる誰か。

    「せっかく、なのに……」

     負けるのか?

    (呪われた世界をやっつけよう)

     約束したんだっけ。

     言ったのは僕だ。

     るいは関係ないのに力を貸してくれた。

     こよりは泣きながらでも参加した。

     伊代はいいやつだし。

     花鶏や茜子だって。

     ちょっとだけ、力がわいた気がする。

     あまり感じたことのない力。

     自分以外の誰かがいるから。

     こういうのは、なんていうんだっけ?

     少年漫画が好きそうなやつ。

     見えないモノにつく名前。

     そう、

     絆だ。




    (『るいは智を呼ぶ』より

      ※最後の言葉だけゲームと違う表現をしています)

















■総括


素晴らしかった。
スっと抵抗無く受け入れられました。
るい達と出会い、一人ではなくなった智の、
“らしくない”変化が自然に受け入れられました。
繰り返しますが、智は極めて現実的な思考が出来る人物です。
現実(=境遇)を受け止め、その中で堅実に生きていける。
なのに、るい達と関わってからは限りなく理想主義になっていく。
同盟メンバーの中で一番の理想主義者になったといっていい。






    「僕はやる。みんなとやる。間違ったらその度にやり直す」

    「壊れてしまったら、また積み上げてやる。ケンカをしたら仲直りする」

    「何度でも、何回だってやってやる。
     この呪われた世界をやっつけてやる」


      (『るいは智を呼ぶ』より)






智は希望を持ってしまったんです。
心地よさを知ってしまったから。
ゆえに、第3章・恵ルートでの絶望感が際立つ。真に迫る。


“これはただ、人を殺してしまったという後悔の描写ではない。
 自分だけに降りかかった呪いなんか目じゃないくらいの
 最も根源的な、人間という種に宿命付けられた呪い。
 そのどうしようもない呪いに完全に屈してしまった故の絶望だった”


三宅を殴った時の智の言葉を思い出してほしい。
あれこそが呪い。
呪われた世界への呪いの言葉なのである。
 
“―どうして?”と。

それこそが智の味わった本当の呪いだった。








本作品は限りなく綺麗な締め方をしてます。
多分、3章の絶望感が作品の肝で、
ライターも終章で智に言わせた言葉を心から信じてはいないのではないかと思う。


“それでも――”



    「僕が僕である為に、みんなが必要だから。
     僕らはみんな、僕ら以外のもので出来てるんだよ」



この言葉を忘れないでおこうと思います。
私の今を形作っているのは過去に会った、
私以外の人達との時間の積み重ねがあったから。
いい人達もいましたし、憎しみを抱いた者もいました。
私自身もその人達にどういう印象を与えたかはわかりませんが、
誰だって三宅のように憎悪の対象になり得るということです。
私はそうはなりたくありません。







世界はきっとあらゆるモノが足りてなくて、
きっと全員が幸福になれることなんてない。<-絶望->

……でもそんな中で、
一世一代の告白が成功するかもしれないし、
宝くじで一等があたるかもしれない。
生涯における無二の親友に出会えるかもしれない。
何かの勲章を手に入れたりもするかもしれない。
形に残らないモノだとしても、
そんな“宝物”のような何かを
手に入れる“可能性”があるかもしれない。
だから私達は今日も生きていける、生きようと思う<-希望->







これはただそれだけの物語。
どちらか一つだけじゃない。
どちらか一つに決める事はない。
性善説と性悪説を同居させたような――
人間否定と人間賛美を同時に行ったような――
そこに私は非常に共感できました。






ファンディスクって、基本はずれが多いですが、これは例外。
本編の呪いは、智達が固有で持っている呪いという意味合いが強かった印象ですが、
このFDはそれを引っ込め、シナリオに絡ませ、
人の持つ純粋な呪い(=悪意)という形で表現した。
私は本編の頃からこっちの方を望んでいたクチなので満足しました。


本編を“補完”なんて言葉では足りない、
“昇華”させてくれたこの作品に本編以上の評価をさせて頂きます。
同時に本編『るいを智を呼ぶ』に込められた強いメッセージ性に
気付けなかった自分の読解力の無さに反省をしつつ、
(それでも本編こよりシナリオは未だに納得してはいませんが…)

制作陣の方々へ素晴らしいFDにあわせて下さって感謝させてもらいます。



『Favorite Charactor』/和久津智
『Favorite Story』/第3章『さよなら、ピーターパン』
『Favorite Scene』/第3章『ハッピーバースデイ』
『Favorite Song』/絆(歌詞的な意味で)/ 宝物(曲的な意味で)

『Special Thanks』/gosa 様(“絆”の歌詞の解釈 )
         /guras 様(『絶対幸せ宣言っ!』の感想 )


















おまけ

『Favorite Lines』


   「やあああああのぉおおおお!!!!?
    どの札を出しても駄目な予感しかしないのぉお!!」

    (序章『続・地獄のゲーム』より)


やっぱ智の可愛さは異常でしたw
まさに呪いの対価……本人はいらんでしょうけどww
メイド智ちん…ゴクリ………いやいや待てあれは男だ。