好み的にはどちらの主人公も好きですが、それにしてもやっぱりそれぞれのシナリオの纏まりの差が目に付いてしまう。
陽斗編はとにかく描写の省き方が良くないと思います。真実→1年後までの経緯がびっくりされるほど何も語られないせいで、何かいつの間にか同志になってる凛久が株を上げ損なってるし。小比類巻戦も陽斗編では貴重なバトルシーンだったのにカット→「ここにいるのが答えだ」で済まされるし。なおかつ小比類巻は敗北シーンもフィオナとの因縁的な描写も何もかも投げ捨てて雑に完全フェードアウトするし。
センリ編はフィオナ戦・戌亥戦・ルゥ戦と異能バトルモノらしい見せ場があるのに対し、陽斗編はラスボス戦ぐらいしかないというのもバランス的にどうなのかなあと。
センリ編は全体的に面白かったですが、終盤のアゲハの一件は立ち絵すら写さないならいるかコレ?ってなりました。
ヒロインはフィオナが戦闘要員としてもエピソードとしても一番濃くて、ノアは前半出番ほぼ無かったのが痛い、凛久はエピソードは濃いけど前述の仲間入りカットがやや痛い、あさひは電波なのは良いんですがそれに対する理由付けが大分薄い、といった印象。
あとラスボスが流石に小物過ぎる。ルゥの設定を考えるとイマイチ辻褄が合わない気もするし。下種にしてもカリスマ性まで無なのはそれまで行動を見ると良くないと思います。
とまあ全体的にツッコミ所が目に付きやすい作品でしたが、全体的には面白かったです。終わり方も好き。これもやっぱりセンリ視点だけど。