女装モノの中でも珍しい世界観
シナリオ
序盤の選択肢によって太陽の学園編と月の学園編に分岐するのですが、他のレビューでも言われている通りこれがまるで違う雰囲気。太陽の学園編は比較的普通の女装学園モノのノリ（あくまで比較的）ですが、月の学園編はシリアスな魔法バトルモノで、ルートによってはタマの取り合いもするという殺伐さ。ただ、太陽編も月編も後述のトゥルールートの伏線張りという面が大きく、個別ルートのエンディングでもやや消化不良感が残ります。また、月の学園編では陵辱的展開もあるので、苦手な人は注意。（ちなみにトゥルールートは月編から派生するため、太陽編→月編→トゥルールートの順でやるのがよろしいかと）
そしてトゥルールートですが、言ってしまえば超展開。ただし、脈絡のない展開というわけではなく、そういう世界観であることは予め提示されており、また伏線もしっかりと張られているのですが（知識があればトゥルールート前に「何が伏線か」に気づけるかも？）、それでもなお超展開。この作品の評価は、この超展開を受け入れ、楽しむことができるかで変わるかと思います。ちなみに自分はノリノリで楽しめました。ああいうラスボス、いいですよね。
キャラ
主人公のあやめくんは、女装主人公の中でもかなりの武闘派で、怒る時は本気で怒り、また声色・口調・性格が女装時でも素でもほぼ変わらないというやや珍しいタイプ。身体能力だけでは最強格・異能込みではヒロインたちより下というバランスもいい。あと例によってかわいいんですが、あやめくんはかわいさよりも凛々しさ、格好良さのほうが上に感じられました。これも珍しい。また、クリア後に改めてみると、彼のキャラクター性そのものがある意味を持っているように感じられます。
そしてヒロイン勢なのですが、なぜアーリャさんルートが無いし。こればっかりは許さんぞ。他キャラでは羽音お嬢様の一途っぷりはかわいいというより格好良かった。
その他
BGM、立ち絵・CG、OP・EDなどは概ね良好。エロは使えないことはないが期待するな。初回特典のアレはキャラ崩壊・ネタバレ全開ですがいつものヨダですね。
女装ゲー好き、厨二的展開が好き、ある程度超展開耐性がある人にはおすすめできます。