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kaperureiさんのシンソウノイズ ~受信探偵の事件簿~の長文感想

ユーザー
kaperurei
ゲーム
シンソウノイズ ~受信探偵の事件簿~
ブランド
Azurite
得点
100
参照数
215

一言コメント

自分にとっての美やエロゲ観の全てって感じの作品。主観100点客観80点。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

シナリオに関しては3章までに「これ自分が期待してない(主人公以外にも超能力者達が出てくるような)方向に進んでしまうのでは?」と気付いてしまったよね。6章までは楽しめるけどさくらの死の真相と終章キツかったね。3章がピーク。
シナリオやこの作品の自分に合わない部分もアクセントになってるなと後から思うようになった。
初プレイ時は「はえーそうなんや」と思いながら真相に向き合っていたが、再プレイ時は「かなりまっすぐな展開なんだな」という感想になっていた、自分は特に(無意識的な)期待に引っ張られて初プレイ時は実際のシナリオとの乖離に衝撃を受けたりがっかりしたりする人間なんだなと。

以下、ヒロインについて。
清川ひかりとひかりエンド
ひかりは一番嫌いなヒロインなんだが(嫌いだけど心の醜さが魅力的)、ひかりエンドは自分のためにあるような一番好きなエンド。泣くような感動では全くないんだが、心が冷え切っていく、ダウナーな素晴らしい、味わい。失望だけではなく暖かなものもあるような良いエンド。
「何が好きだ何が美しいだなんだと言っても結局自分がそうあってほしいと信じたものがそうあってほしいだけの、言ってしまえば自己愛しか持てないような」自分には相応しいエンドだった。それでも美しいものを愛したい気持ちは否定しなくていいんだってそう思える。最後までプレイするのもこのエンドまでで終わりにしてしまうのも同じぐらい自分にとっては価値がある。

風間夏希
嫌いなタイプのキャラだがやってると割と嫌いではなくなる。最初の頃主人公に対して敵対的だけどその原因は先に主人公が冷たい態度を取ったことであると夏希エンドで分かる、のだが、そういうのなんか好きじゃないんだよな。最初は性格悪いやつだけど好感を持つと反転するような感じで別にいいんじゃないかと思う。真相に関しても風間が悪者ではなかった感じ、なんだかなぁ、さくらもそうだけど。

黒月沙彩
属性的には悪くないが声というか喋り方が苦手。こういう作品に主人公と完全に共感し合えるようなヒロインって必要なのかね、桃園みたいな完全に理解はしてくれないけど救いや赦しを与えてくれるようなヒロインは必要だと思うが。

大鳥百合子
元々そこまで興味持てないタイプのヒロイン、媚薬盛られた後のシーンで普通に屈して主人公とSEXしてしまったので余計興味無いなとなった(渉さんの方が好みに合ってるわ)。そもそもが大鳥は好奇心の人間で、自らを律する性質が本質とかではない。ただ自分が「己を律する」属性のヒロインが好きなだけで。

桃園萌花
さくらと対照的で(パッケージも露骨にそう)どちらも魅力あるよね。本音と建前のない子どものままの純粋さを持っていて、その純粋さで自分の中の醜さや悪意を暴き立ててくれるのいいよね。

雪本さくら
一番好きなヒロイン。寡黙だったり真面目そうだったり黒髪で露出少な目だったりミステリアスで可哀想だったり好きな属性の詰め合わせ感ある。しかしながら、自分自身雪本さくらにこうあってほしいという妄執を愛しているだけで本当の雪本さくらを好きなのか分からんね。まあ最後の選択肢は結局さくらの方を選んでしまうけどね自分は。