体験版からの期待通り、本当に面白かった。目まぐるしく変わる展開に驚き、考え、感動させられる。シナリオ勝負のいいゲームでした。
シナリオ1本勝負のゲームですね。最近は体験版の段階でギブアップしてしまう物も多い中期待していました。
そして、それを裏切らない素晴らしいシナリオでした。
1章の様に先が少し予測できてしまっても面白く読ませる事ができる文章、複線を貼りしっかり回収できている所
プレイヤーが予測できないどんでん返し、締めもファンタジーにありがちなご都合主義ではなくしっかりとした物
でした。
選択肢も極力排除したシナリオ1本勝負のゲームですので本当に読みがいがありました。
ここまでこの作品が面白くなったのはヒロインたちが失恋していく事にあったのではないかと私は思います。
好感度MAXヒロイン達の中から1人選んでイチャラブするだけというエロゲーが多い中、「失恋」をテーマに
取り上げた事は大いに評価したい。
やっぱり、恋愛の醍醐味って結ばれるだけではなく、失ってしまう事にもあると思いますから。
特に12章の夜子の告白シーンは、本当に美しかったし、振られるのを見るのがせつなかった。
各ヒロイン共振られた後の強さが美しくて感動してしまいました。
こういう作品で一番怖かったのは魔法の本のせいで何でも有りになってしまうことでした。
体験版の最後に妃は死んでしまいます。私は「まあ、トリックか魔法の本で生き返るかも」とは思っていました。
その後、8章で擬似的にではありますが妃は生き返りますが、それを妃は許さなかった。
妃は、生と死を軽んじる物語を絶対に許さないと。
シナリオライター的には甘えたくなる「魔法の本」で解決を安易に使わなかったのは本当に良かったですね。
本当に生き返ってしまったら、絶対に高評価を与えないつもりでした。
だって、何の為に死んだのかわからないですから。
いやー、本当に面白かったです。製作陣に感謝を2014年最高の作品に出会えた事に感謝。