ミステリー好きにはたまらんです、あっさりとは終わらずボリュームあり本格的
絵が綺麗で音楽もよくミステリーの雰囲気があるってだけでもストライクなので、多少評価甘めかもしれません。
2日続けて気が付いたら朝になってました(汗
1日目の徹夜で終われるかと思ったら、ドンドン話が深まっていきます。
グロ、狂気、和風、見立て殺人、女学園潜入、とテーマや舞台からして非常に興味をそそられる。
グロに関しては覚悟して身構えて臨んだ分、案外平気だった。
原画◎音楽◎シナリオは詩的な雰囲気で心地よく、奥深い表現や伏線、次は誰が犠牲となるのかという緊迫感、多数の登場人物の相関図が徐々に明らかにされていく様に引きこまれた。
冬子のボーイッシュな話し方や声、儚げな雰囲気も非常にマッチしていてハマりました。
登場人物は背負った業、家庭事情、近親姦、不妊、嫉妬、盲執、孤独など似たもの同士が多く運命や輪廻を感じさせられ、その呪い、憑き物とも言える状況から解放され自由になる物語と言えます。
再生というテーマも、様々な形で表現されていて深かった。
京極夏彦の「魍魎の匣」「姑獲鳥の夏」から設定を真似ている部分も多いが、個人的には独自にアレンジされていて面白かったのであまり気にならなかった。
ただ六識ほどの人間が、徒に子を孕み身勝手に堕胎する娼婦を裁きの名のもとに手にかけたのはともかく、由紀子や紫に手を出す理由が薄い。
その辺の心情とか動機も深く掘り下げて欲しかった。
とりあえず盛り上げるためにいっぱい被害者出しとけ、というのではちょっと安っぽくなってしまう。
カルタグラの登場人物が脇役として登場しているのも良いですね。
一部で不評のあったぶっ飛び過ぎの七七は登場しなかったり、主人公のダメっぷりも改善され、推理パートの強化など前作からの改良点も多く見られた。
カルタグラのようにシンプルなノベルとするか、本作のように難易度は上がるが推理や探索パートを設けてゲーム性を盛り込むかは難しいところだと思うが本作に於いてはその試みは成功してると言える。
探索パートで少々理不尽に見つけにくいもの、見つける前に勝手に探索終了してしまう場合があるので改善して欲しい。
後に出たクロウカシスでは更に会話や探索に時間経過が導入され、理不尽な難易度になって失敗した感がありますが。
Hに関しては、女学園という舞台を活かして百合的なものをもっとふんだんに盛り込んで欲しかったかな。
あと細かいが、タイトル表示前の「この物語はフィクション云々・・・」が右クリックで飛ばせない。毎回数秒かかるのは地味にうざい。他作品は飛ばせるのに・・・
殻ノ少女2が製作開始したようなので、そちらも非常に楽しみです。
作中ラストで、殻の少女を手に入れ目的を達成しながらもそれが母ではなく昔一緒に遊んだ少女である事に気付いていて盲執から醒めた○○が、電車の中でもう必要のなくなった××を少年に譲り電車を降りる(=舞台から降りる=入水ENDにあったようにおそらく自殺)シーンがありましたが、「パラノイアは再生する」まさにその体現シーン。
殻の少女を託され魅入られてしまったその少年が、新たなパラノイアとして2で登場するんですかね?
六識もあっさり脱獄して、2でも暗躍しそうだなーw