良作。とても綺麗で哀しくも優しい物語でした
あかべぇ系はハローレディ以来のプレイでした。
ジャンル詐欺と言われていたのが気になってプレイしましたが評判通りの良作で満足でした。
傑作や名作と言われる類の作品とまでは言えませんが、欠点の少ないほぼ完成されたシナリオの良作かと。
そして紛う事なきジャンル詐欺ですねwシリアス苦手な人には向かないゲームかもです。ご注意を。
ですがやってよかったと素直に思えるゲームですので、シリアス成分そこまで苦手じゃない人には是非プレイして頂きたいです。
ネコ→小羽→咲奈→傘(固定)の順でプレイ
※以下ネタバレ感想です
本当にいい意味で裏切られました。パッケージやジャンルからは想像できない展開でとても楽しませてもらいました。特に共通。
主人公は生者と死人どっちなんだろうと。旅館のシステムや登場人物を知ると1番最初に思う疑問かもしれません。この部分をサラッとバラさずに強制バレするまで曖昧にしてくれたことに好感が持てました。会話の端々から推理するのは楽しかったです。
ヒロイン4人ともストーリーのテーマが決められており、本来なら問題になる部分を敢えて取り挙げ無かったことも個人的には良かったです。
ネコ√の場合、は死人同士のカップル。ネコももう死んでいて√のラストで成仏し最後は主人公が取り残される。
しかし他の3人のヒロインは全員まだ生きていて、付き合う先にある可能性として突然の永遠の別れ。主人公の成仏による強制的な別れ。つまりヒロイン達はみな置いていかれる可能性があるというのが一番の問題です。
その問題を取り上げているのは傘√のみで小羽、咲奈√ではヒロインの問題をメインとして主人公の問題についてはほぼノータッチです。
小羽√は兎も角、咲奈√だと主人公の過去が出る割に全く調べる事なく終わるのは少し違和感ありでしたが。
ちなみに咲奈√はなんか話微妙でした。
あと地味に気になったのはHシーンの数。
めちゃくちゃ多いんですけど、ダラダラと話が続くというわけではなかったのでまだ助かりました。
でももう少し減らしてもいいかな?という感じでした。
傘√のラストは個人的には好きでした。
正直死人である主人公の子供が出来ていたのは妄想してたけど予想外でした。
あといつ転生するか、また人間に転生するかはわからないとされていましたが、主人公がすぐに人間として転生してきた事。これらは少しご都合主義と言われればそうかもしれませんが、ご都合主義過ぎないところが良かったです。
主人公は生まれ変わりとはいえ前世の記憶を持っていない別人ですし。
超展開は起きなくていいけれど、あのくらいの奇跡はあって欲しかった。
これで転生主人公に前世の記憶があったらご都合主義過ぎてダメだったと思います。
金恋GTほどのご都合主義ではなかったところに安心しました。
子供は主人公が消えた後1人残された傘にとって大きな支えになっただろうし、主人公を旅館でずっと待っていると言ってくれた傘への最後の主人公からの最後の贈り物の様に感じました。
辛い展開で終わらなくて本当に良かった。
20年間頑張った傘が最後に主人公の生まれ変わりと会えて本当に良かった。
とてもいい話でした。
最初にも書きましたが、自分はこの作品は名作ではなく良作だと思います。
でも冗長な所もなく、ご都合主義な部分も酷くなく、シナリオが良質なので是非お勧めしたい作品です。バットエンドしか受けれない、または少しでもご都合主義が入っている作品NGな人以外は楽しめると思うので是非やってみて欲しいです。