VenusBloodとしては１つの完成形
どんなゲームであれ個人的に「ここはもう少し…」だの「ここはこうして欲しかった」など
自分も含めプレイヤーには何かしらあるものだろうけども
今回、個人的な細かい要望はともかく、全体を見れば決定的な欠点は全く感じられず
ゲーム性、シナリオやテキスト、音楽、キャラ等何を取っても完成度は高い
あくまでVenusBloodという範囲内で言えばだが「完成形」と言っても差し支えないレベルである
戦闘やそれにまつわる、例えば産卵、回復や
２週目以降も進みやすく工夫されたテンポの良さに加え
エロゲとしても、それなりの過程をこなせば次々に出てくるHシーンに
世界を損なわない２つのロウ＆カオス（とどうでもいいノーマル）シナリオ
それと「それなり以上の奥深さ」を両立させているというのは簡単なようで相当に難しいはずだが
既存の何かを真似るのではなく、むしろ真似ない事を信条にして生まれたような不思議な方向性で
そのバランスを実現している
強いて言えば奥深さに難は感じるが
じゃあ１週ごとに１００時間かかるようなVenusBloodが良かったかと言えば
それをこのシリーズに望んでいる人もあまりいないように思う
実際歯ごたえで言えば、スーパーハードのさらに上まである難易度を上げて
各種周回ボーナスを付けなければ、すさまじく頭を使わないと進めるのは困難
その分バランスとしてはノーマルだけやって満足な人には簡単に感じるだろうし
産卵、育成、アイテム等含め、ほぼオートな戦闘が何よりコンパクトなので
もう半歩でいいから、プレイヤーが直接関与出来る要素があっても良かったとは思う
独自性ゆえ非常に個性的であり
ムービーでもまず目につくえげつない陵辱、産卵や、カオスルートの残虐性に加え
独特のシステムは「一部ドラクエぽい」わけでも「ここはランス６に似ている」わけでも全くなく
普通に和姦（ただし触手）やロウルートの大団円シナリオがあるにも関わらず
やってみようと思う前に、とっつき辛さを感じる層がエロゲユーザー内でも少なくないだろうし
売り上げ上「損をしている」とも思えるが
安易に人気作を真似るわけでもなく
独自の方向に完成度を高める事で、こういう作品が出来たとも言えるのではないだろうか
お勧めをするかというと個性の強さのため何とも言えないものの
個人的に心から買って良かったと思える良作だった
次作以降、これ以上のVenusBloodが出てくるのかも心配だが
結局今作も大して売れずに、またデバッグする時間や人材が確保出来ず
パッチが出るまでバグだらけという流れもまた心配である