面白かったんだけど、何かが足りない。
<短評>
この先どうなるんだろうと、進むクリック
読みやすいテキスト
魅力的な女の子(憂緒、リト)
回収される伏線と驚きの展開
物語の着地もちゃんとできてる
ここまでそろってて、自分の中での評価で言えば、80点後半くらい出ても良いハズなのですが83点。これは、プレイ終了後の「余韻」がなかったからです。
ただ単にケチを付けているだけな気がするのですが「刺さらなかった」というのは事実。
理由を考えていたのですが
・色々な展開を出し過ぎて、物語で本当に出したいインパクトが薄れてしまった。
・盛り上がるべき演出のところが、いまいちだった。(上げて落とす、台詞回し、など)
・ヒロイン(憂緒)との障害がほとんどなかった。(オルゴール関連くらい)
微々たるものなのですが、そういうものが積もったのかなあと。
(とはいえ、刺さるときは荒があっても刺さるんですがね……)
物語とは、何かサプライズをすれば良いだろう、伏線で殴れば良いだろうというものではないのだな
と実感しました。
……文句ばかり書いていますが、良く出来た作品に違いありません。
数年にわたる3作品をよくぞ、ここまで着地させたなとクリエイターに感謝です。
(怖かったので、朝霧まで待って購入した質ですが)
<ワンポイント感想>
シナリオ……良く出来ています。「この先どうやって切り抜けるのだろう」「あっ実はそうなんだ」
と気になりながら進んでいきます。
ただ、敵側が学園に戻ってきてから、主人公達は自由に動きすぎだなあ、
○○さん都合良いなあと、切り抜け方などに期待外れはありました。
「実は○○だったんです」というのはいいのですが、そういうのを欲張りすぎて
いる感もありました。2作目の最後は烏丸小太郎が○○だった!みたいなのが
薄々気付いてても、テンション上がっただけに、3作目はそう言うの少なかったです。
テキスト……非常に読みやすいです。ギャグに徹しているとかそう言うのではないのですが
軽快なテキストですらすらと読めていきます。
システム……足回りは普通です。BGM鑑賞に水月陵さんのコメントが入っているのは、良いですね。
あと、3作通してシステムボイスとは「リト」でした。
これがすごく良くて、無機質の中にも、聞いていたいという気分にしてくれます。
CG ……綺麗です。Hシーンなんかで、表情とかちょっと変かなと思うところはありましたが
そんなに気にならないです。
音楽 ……全体を通して落ち着いた感じで良かったです。
でも、OPがいまいち印象に残らなかったのは、
シリーズ通してムービーがいまいちだったのかもです。
あと、2,3作目のOPの印象が薄いのは、1作目のOPが印象良すぎたためです。
ただ、「ここぞ」というところの音楽がなにかワンパンチほしかったと思います。
ヒロイン……憂緒とリトがとても良かったです。
基本的にメインヒロインが主軸のゲームしか私はやりませんが、そう言う点でも
憂緒には満足できました。段々人間味が出てきて可愛いですしね。
ケンカップルもいいものです。
でも、物語の主軸と「ヒロインとの障害」が少なかったのは大きく点数に
影響しました。憂緒がオルゴール使って、戻ってきたところは確かに刺さったんです。
おそらく、物語を全体通して刺さらなかったのは、そういう描写が少なかったからだと
思います。
だから、最後の最後にある指輪のシーンも、お前らそんなにロミオとジュリエット
してないだろうと入り込めなかったのかもしれません。
リトはアナザーがとても良かった。正直、密度で言えば本編よりも刺さりました。
ということは、私はこういう物語が好きで、そこが刺さるか否かのポイントだったの
かもしれません。
Hシーン……各キャラクターは、日常とHシーンとの落差があってすごくよかったです。
憂緒とは、言葉はなくても心と身体の関係から始まっていく感じは好きです。
セックスはするけど、「保留」というのは好きでした。
コンセプト……普通。良くあるファンタジー。
2作目の途中まで物語のゴールをどうしたいのかということが見えてこず
クリックが進むものの、物語のベースコンセプトがとても良かったという
感じではないです。
主人公 ……実は魔女だったということと、1作目の名前が違ったというのは良かったです。
ただ、1作目の話になりますが、名前が違ってもテキスト欄の名前で出しているのは
アンフェアかなと思います。
性格は荒っぽいですが、好感の持てる主人公です。