生まれたことに感謝
感想なのでネタバレが含まれているかもしれないのでご注意を
この作品は女の子の視点で物語りが展開していき、孤児院で暮らしているという設定で始まる。
ヒロインは、友達に関わるある事件をきっかけにヒロインは過去にタイムスリップする。友達を救うために四苦八苦するわけだが、そこでは様々な人と出会い、今まで知らなかったことが分かっていく。
ザックリ説明するとこんな感じ。
さて、この作品で私の心に残ったものは、過去にタイムスリップして今は居ない、もう亡くなってしまった人とのふれあいである。
過去に飛んだヒロインは現代では会えない人と出会うことになるが、過去に飛んだばかりのときは、会う人が誰か分からないため初めて会う人と同じように話す。次第にその人が誰だか分かっていくのだが、同時に自分が過去に居られる時間が限られていく。
その人はヒロインにとって大切な人で、自分の生誕に大きな関係がある人だった。感謝の気持ちを伝えるために、歌を得意とするヒロインは精一杯の歌を歌うが、これがまた心にグッとくる。
現代に戻ると、もっと一緒にいたかった。あの時もっと・・・という気持ちが大きくなったが、ヒロインの記憶にはその人が残した思い出が沢山つまっていた。
私は今出来ることを少しづつでも、感謝の気持ちを込めて伝えていきたいと思った、そんな作品でした。
風の噂では大長編の一部分がこの作品と聞いたが、これだけでも完成度の高いものになっている。むしろ物語を読んでいくと想像は膨らんでいき、自分の中で物語りは完成していくのかと思う。