面白かった。本当に面白かった。高得点に相応しい出来。だけどあまりにもSMEEのお株を奪い過ぎじゃないですか?
プレイしてて思ったのは、「あ、これ令和版フレラバじゃん」
HOOKがSMEEテイストを露骨に取り入れ始めたのは「アメニティーズライフ」の頃からだったと思うんだけど、
まあ同じ系列だし、当人同士が良ければそれで良いし、SMEEがそれで腐るわけもないと、その時は思っていた。
でもそれからSMEEは早瀬氏メインが減り、それまでのテイストを損なわない気概は見せていたが、直近のメイキングラバーズ続編なんかは見る影もなくどこのブランドの作品?と思わず言いたくなるほど迷走。
一方HOOKはアメニティーズライフ以降、露骨にSMEEテイストを継承し、ライターは異なるがノリや演出はSMEEを意識しまくっててどこかチグハグな印象が拭えなかった。
結果どうなったかというと、SMEE作品とHOOK作品で一体何が違うの?という同系列内でのコモディティー化が発生。
近年はヘタをするとSMEEよりもHOOKのほうがSMEEしてるというワケの分からない状態に。
ちなみに自分がこれまでプレイしてきたエロゲで一番好きだったのはフレラバです。
構成やノリとテンポの良い掛け合い、普段は破天荒キャラだが締める時は締めてくれるかっこいい主人公。
付き合った後のバカップルぶり。
全てが高水準にまとまってて、自分の中では伝説の純愛キャラゲーでした。
そうして強く印象に残っていたからこそ分かってしまう。
ついにフレラバそのものをパクったなと。
ギャグテイストのノリはもちろん、ゲーム構成が放課後ルート選択するということを抜かせばほぼフレラバです。
まず共通ルートの構成ですが、
フレラバの場合
モブも絡めた日常シーン → 昼休みの会話選択(ここで目的の子と好感度を上げていく)
放課後シンデレラ2の場合
モブも絡めた日常シーン → 放課後ルート選択(ここで目的の子と好感度を上げていく)
そしてどちらもある一定の好感度に達すると好感度アップイベントが発生し、好感度レベルが上がった状態で次の好感度レベルを目指して日常シーンを進めていく。
ちなみにフレラバの場合、好感度が上がると昼休みの会話時のセリフでより距離感の近いセリフに変わっていきます。
放課後シンデレラの場合、一定の好感度まで上がると別れ際のセリフでより距離感の近いセリフに変わっていきます。
そしてフレラバは好感度マックス直前で好感度アップイベントが発生した場合、
フレラバはデートの帰り道に手を繋ぐという選択肢が出てきます。
放課後シンデレラ2も帰宅イベント時に手を繋ぐという選択肢が出てきます。
ここまでやられると清々しいですが、それでも今回高得点としたのは、
これまでのHOOK主人公がSMEE風を演じようとして滑ってたのが、この作品では限りなく早瀬氏が描く破天荒でありながらかっこいい主人公に近づいていたからです。そして攻略対象が無駄にギャグに走りガイジ化してしまう現象も今回は少なかった。
違和感なくテキストが読めるというだけで全然違います。テンポの良い会話も心地よく、付き合った後のバカップルぶりも最高でした。
まさに令和版フレラバと言ってもいいくらいの出来でした。
懸念としては、それがHOOKから出てきたということです。
本来これはSMEEから出てくるべきなのでは?と思ってしまいます。
両社のブランディングについて知る由もないですが、今後HOOKはこのクオリティを維持できるのか?
SMEEは一体どこに向かってしまうのか?
思わぬ収穫と同時に、不安を覚えた今作でした。