やってよかったと思える作品は本当に久しぶりでした。
久しぶりにクリックが止まらない作品に出会えました。
まず設定が大好物。
ポストアポカリプス、アンドロイド、おじさんと少女の旅、絆を深めていくストーリー。
大好き要素てんこ盛りで大満足。
シナリオは目新しさはないものの、主人公の心理描写を丁寧に描いてくれたおかげであらゆる場面に説得力を持たせてくれてました。フィリアの成長も色々な体験を通してジュード目線で見てるとイライラする場面もありつつ、放っておけないと思わせるキャラクターが本当に我が子のように愛おしく感じられます。
この作品で評価したいのはシナリオというよりも、登場人物に命が吹き込まれているかのようなセリフ回しと心理描写の妙ですね。腕の良いライターに共通しているのはここかなと思ってます。リアルであることとは少し違っていて、なるほどこういうことを考えているのか、確かにこういう世界ならこういう考え方になるよなーとか、世界観と生い立ちから人物像を丁寧に練り上げていることで、一つ一つの行動やセリフについても説得力があるんですよね。だからジュードという主人公に感情移入することが出来たし、ジュードに近い目線でフィリアを見守ることが出来た。終のステラという作品に用意された世界を高いレベルで疑似体験させてくれたことが一番高く評価したいポイントです。
あとはこの作品を通して、今回BGMを担当されたIceさんのファンになってしまいました。
世界観にマッチしていて、BGMを聴くだけで色んな場面が記憶に蘇ってきます。
本編で何度も聴くことになる「Journey」という曲があるんですが、これクリア後に聴いてみてください。
より一層読後の余韻に浸れます。かけがえのない旅だったんだなーと、思い知らされます。
ラストは読み進めてると本当に終わってほしくない思いでいっぱいでしたが、
しばらく経って、この作品が少し記憶から薄れた頃にまたやりたいと思えるほど印象に残る素晴らしい作品でした。
keyさん、ロミオさん、本当にありがとうございました。