最初の出会いと、再会と、その後の日常と、エンディングのすべてがタイトルとテーマに密接しており、とても完成度が高い。
パケ絵やタイトルからは想像出来ない内容で、良い意味で裏切られました。
これから社会人を目指す人には色々と考えさせられる深い内容でした。
ですが低価格なので深くなりすぎず、極力カジュアルに仕上げており、綺麗にまとまっていました。
基本は主人公の視点で物語は進んでいきますが、ヒロインサイドの描写も的確に盛り込んでいたのでどちらにもしっかりと感情移入出来ました。
ヒロインの描写を見せるタイミングと情報量が的確だったと思います。
主人公とヒロインのお隣さん同士の日常とイベントも楽しく、ニヤニヤ展開もあり、ダラダラと無意味な会話を展開されることもなくてテンポよく進められます。そこかしこにヒロインの"制服活動"による苦労と徐々に違和感を感じ始める主人公とのやり取りがあり、最初から最後まで物語として意味のある掛け合いに終始していたので完成度が高かったです。
1つだけ不満を言わせてもらうと、主人公とヒロインが付き合い始めたところで終わってしまい、その後の日常がオマケのHシーン(3回分)しかなかったことですね。
まあロープライスではあるんですけど・・・1箇所だけ納期かコストの問題でボツになってしまったっぽいイベントがあってもったいなかったです。
少し具体的なネタバレになりますが、
後半で主人公が美術部の部長に画材道具のオススメを聞いている描写があったんですけど、恐らくヒロインの為に何が出来るか考えて行動に移している場面なんですが、結局最後までその伏線が使われずに終わってしまいました。
エンディング手前でお互い両想いになり無事恋仲になるんですけど、ヒロインが主人公の事を好きになる理由としてほんの少し説得力に欠ける部分もあったので、最後の一押しとして画材道具のイベントがあっても良かったんじゃないかなーと、ここだけ少し心残りでした。